従業員を経営に参画させるには、従業員代表監査役の導入がカギ--実証会計学で考える企業価値とダイバーシティ 最終回(全4回)

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

 一方で、成果を出さない人にとっては厳しい時代と言えるかもしれない。しかし、各企業とも国際競争が激しくなり経営環境はますます厳しさを増している。過去のやり方は通用しなくなり、成長するには、これまで以上に従業員一人ひとりを活用することが欠かせない。

 従業員の意識改革も必要だ。すでに世界的にトップレベルの高賃金となっている日本人が海外の優秀な人材と伍していくためには各自がプロフェッショナルとなり、企業と対等の立場で自分の能力を磨いていくことが求められる。筆者は企業と従業員がお互い自立して目標(会計指標)に向かっていく姿こそが、実証会計学の視点から見たダイバーシティ経営であると考えている。

 その際に従業員代表監査役は、両者の関係をスムーズにするためのレフェリーとしての役目が期待される。ダイバーシティ経営がうまくいくためには、この従業員代表監査役の導入がカギを握っているといえるだろう。

3期合計でSVA(株主付加価値)を高めた会社ランキング
(注)3月決算を対象に2008年3月までのデータからSVA(株主付加価値)を算出し、3期合計でランキング。ベータ値は2009年4月3日時点
(出所)『実証会計学で考える企業価値と株価』(東洋経済新報社)
■SVAの計算方法
●SVA = フリーキャッシュフロー − 資本コスト額
●フリーキャッシュフロー = 営業キャッシュフロー − 投資額(減価償却費)
●資本コスト額 = 総資産×資本コスト
山本昌弘(やまもと・まさひろ)
1960年奈良県生まれ。同志社大学商学部卒業、京都大学大学院経済学研究科博士後期課程中退。2000年より明治大学商学部教授。博士(商学)。この間、ヘンリー・マネジメント・カレッジ客員講師、ロンドン・ビジネス・スクール専任研究員、東北大学経済学部助教授、北アイオワ大学経営学部客員教授等を歴任。「東洋経済新報社財務・企業評価チーム」アドバイザー。専攻は、国際会計論、企業評価論。
著書に『実証会計学で考える企業価値と株価』(東洋経済新報社財務・企業評価チームとの共著、東洋経済新報社)、『良い会社 悪い会社』(共著、東洋経済新報社)、『会計制度の経済学』(日本評論社)、『会計とは何か』(講談社選書メチエ)、『国際会計の教室』(PHP新書)など多数。
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事