必修化された「プログラミング教育」の真の目的 学ばせたいのは社会で必須の「論理的思考」

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この論理的思考力を身につけるためのプログラミング教育として、小学校ではさまざまな取り組みをすることになりますが、いきなりパソコンなどの端末に触らせるだけではなく、アナログで教えるパターンもあります。

例えば、カードやボードゲームなどを使ってプログラミングの基礎を学ぶものもあれば、先ほどの「料理」や「1日の行動」などを例に「分解」「整理」「組み立て」の考え方を座学で学ぶという方法もあるでしょう。

少し詳しく言うと、この「分解」「整理」「組み立て」の中の「組み立て」をする際の考え方には「順次実行」「繰り返し」「条件わけ」という3つの要素があります。

実は、普段の生活もこの3つでできています。例えば、とある学生の1日を見てみましょう。

このように、「朝起きる」から「寝る」まで、順次実行、繰り返し、条件わけで1日の流れを表現できます。先ほど例に挙げたカレーの作り方も、「分解」「整理」「組み立て」と「順次実行」「繰り返し」「条件わけ」で表現できるのです。

もっといえば、スマートフォンアプリも駅の自動改札機も、プログラムでできているものはすべてこの考え方で作られています。

このようにコンピュータを使わずに学ぶプログラミング教育を「アンプラグド・プログラミング」と呼び、そのための教材もたくさん出ています。

プログラミング学習の導入に適したツール

プログラミング学習には、先述の「アンプラグド・プログラミング」のほか、「ソフトを使うプログラミング」や「ハードを使うプログラミング」があります。

「ソフトを使うプログラミング」は、パソコンやタブレットを使って、画面の中の物やキャラクターなどに命令して動かすといったもの。「ハードを使うプログラミング」は、そのソフトで作ったプログラミングを使って物理的な車やロボットなどを実際に動かすというものです。

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