学校の「準備ができない子」を変える決定的方法 「できなくて当然」だが、やり方はある

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子どもといっても、一般的に小学生までが時間の概念が薄いと考えていいでしょう。これまで4000人以上の子どもたちを直接指導してきた経験の範囲では、男女で差が見られました。

男の子の場合、時間の概念が出てくるのは多くは中2の夏以降でした。一方、女の子は、小6あたりで出てくる傾向にありました。男女で2年ほどの差があります(あくまでも平均的な話であるため、もちろん個人差はあります)。こうした違いから、筆者は中1男子を小学7年生と捉えたりしてきました。

小学生の男子は時間軸というスケジュール概念がない

中学生親子を対象に、勉強法の講座を実施すると必ず起こる現象があります。

中1の男子に「定期テストは次いつあるの?」と聞くと、「お母さん、いつあるの?」と後ろを振り返ってお母さんに聞きます。中1女子の場合は、「○月○日から」と答えることが多いのです。実際に男子の場合、お母さんはまるで秘書のように、子どものスケジュールを把握し、「そろそろお勉強の時間ですけど」「今日からテスト勉強期間が始まります」と子どもにアナウンスする役割をしている場合も少なくありません。

中学生でこのような状況なのですから、小学生に至っては時間軸というスケジュール概念がないことは容易に想像できます。

しかし、学年が上がると、徐々に予定を把握できるようになり、それに対して準備をしなくてはならないという意識が芽生え出します。

一方で小学生でも、宿題をしっかりやり、塾でのテストがあればその準備をする子がいます。もちろんあらかじめ準備をするという時間の概念を持ってやっている子もいるでしょうが、大半は、ただ習慣化されているだけである可能性が高いでしょう。

つまり、子どもの頃は、習慣化によって準備ができているにすぎないだけで、先を予想して今やるべきことをやっておくという自主的準備であることはまれであると考えていいでしょう。

例えば、将来虫歯にならないようにと思って歯を磨くのではなく、習慣になっているから歯を磨いている……といったようなことです。ですから、大山さんのお子さんが今、自主的に準備ができない状態であってもまったく問題はありません。これから変わっていくことでしょう。

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