
2019年の夏、新潟県三条市が、東北地方のコンサル会社に5000万円の新規事業を随意契約で委託した。
事業は訪日中国人向けの「ヘルス・トラディショナルツアー」。中国の富裕層を招き、市内の病院で人間ドックを受けさせた後に周辺の歴史観光を楽しんでもらうツアーだった。だが、ツアーはコロナ禍で全面的に中止となる。
「ところが三条市は『コロナ禍は不測の事態だった』として、コンサルへの委託費5000万円を満額支払ってしまった。これといった成果がないにもかかわらず。公金が不透明に扱われている現状を放置してはならない」
そう語るのは、三条市議会の長橋一弘議員だ。22年12月に委託費の返還を求める住民訴訟を起こし、現在も三条市と争っている。
ツアー事業を随意契約で受託したのは宮城県のベンチャー、ワンテーブル。主力事業は東日本大震災を機に開発した防災備蓄ゼリーの製造販売で、旅行業者ではない。
中止となったツアー事業は、全国の市町村長で構成する「東京オリンピック・パラリンピックを活用した地域活性化推進首長連合」にひも付けた三条市の独自事業だった。首長連合の会長が当時の三条市長で、ワンテーブルは首長連合にコンサルとして関与していた。
“総務省”の肩書で食い込む
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