
藻谷浩介(もたに・こうすけ)/日本総合研究所 主席研究員。1964年山口県生まれ。88年、東京大学法学部卒業後、日本開発銀行(現・日本政策投資銀行)入行。平成市町村合併前の約3200自治体、海外114カ国を訪問。著書『デフレの正体』はベストセラー。ほかに『里山資本主義』(共著)『誰も言わない日本の「実力」』など。
コンサル会社が地方創生を掲げながら自治体を喰い物にしている実態に迫った特集「喰われる自治体」から1年。本特集では、寄せられた告発を基に第2弾を展開する。
代表作『デフレの正体』は50万部を超えるベストセラーとなり、生産年齢人口という概念を定着させた。全国の自治体や海外百十数カ国を自費で訪ね続ける藻谷浩介氏に聞いた。
高齢者の減少が始まった地域も
──「人口が増える東京は生き残るが、地方は消滅に向かう」という定説に疑義を呈してきました。
東京都では高齢者が激増し、若者と乳幼児は減っている。75歳以上は2009年に112万人だったが15年後の24年には177万人に増えた。0〜4歳の乳幼児は09年に49万人だったが24年は44万人に。その親世代を含む15〜44歳は、09年に539万人いたが24年には479万人まで減っている。
他方、若者を送り出す側だった過疎県では、高齢者の増加が終わりに近づいている。高齢者の減少が始まった地域もある。
──過疎地の人々を都市に移したほうが効率的だという人もいます。
トピックボードAD
有料会員限定記事