「東大現役進学率」で開成を上回る高校の実力 およそ2人に1人が東大に進む驚愕の実績も
しかし、注意も必要だ。私立大の場合は、優秀な生徒が複数の学部や学科に合格する「のべ合格者数」で掲載される場合もあるからだ。加えて、卒業生の数が多ければ、合格者数も多く出る可能性がある。もちろん進学先や学校の実力を測るのに合格者数は参考になるが、進学の実態を正確に表していない場合もある。たくさん受かっても、進む大学は1つだけだ。
こうした各高校の「真」の実力を明らかにするために、大学通信の協力を得て、難関大学への現役進学率を算出した。
旧帝大(東京・京都・北海道・東北・名古屋・大阪・九州)・早稲田・慶應義塾・上智・東京理科・MARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)・関関同立(関西・関西学院・同志社・立命館)の人気20大学への進学者数を徹底調査(2020年卒)。卒業生数と現役で実際に進学した人数から各大学への「現役進学率」を割り出し、ランキングにした。
開成の上を行く筑駒
例えば、東大を見てほしい。
合格者数39年連続1位の絶対王者、開成からは今年117人が東大に現役進学した。「東大といえば開成」と思い浮かべる人も多いはずだが、現役進学率で並べると29.5%で3位。王者の上を行くのが、筑波大附駒場や桜蔭だ。
こと筑駒の東大現役進学率は44.7%。およそ2人に1人が東大に進むという驚愕の実績を残しているのがわかる。開成もおよそ3人に1人が進学する極めてハイレベルな争いだが、現役進学率で並べると、一般的な合格者数ランキングとは異なる「実力」が浮き彫りになる。
また、現役での進学率なので、浪人生の実績は含まれない。浪人してから成績をぐんと上げる生徒も珍しくないが、このランキングでは、各学校の現役での進学力がずばりわかる。
さらに、東大と京都大、慶應義塾大や東京理科大などを中心にずらりと並ぶ「中高一貫校」にも注目したい。大学通信の安田賢治常務は、こう分析する。
「中学の段階でいかに優秀な子を集められるか、その傾向が年々高まっています。日比谷のように高校からでも優秀な学校はありますが、卒業生が多いこともあり、ランキングには入ってきません」