富山のテレビ局が問う「地方発調査報道」の重み 映画「はりぼて」に見えた葛藤、しがらみ、忖度

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富山県という土地には、いろいろなしがらみがあるという。富山市の議会や市長、県議会、知事らは自民党に支えられている。それに対して、五百旗頭氏は「がんじがらめです。報道側も相当の忖度をしている」と語る。

五百旗頭氏「関西出身の僕はしがらみがないので、自由に動いてきたし、取材でも『おかしい』と思ったことは『おかしい』と言ってきました。それが、自分の中では普通だった。けれど、結果的にですが、社内で浮いてしまうことがすごくありました。
そういう部分にこそ、メディアの問題がある。『調査報道ができない』『うちの会社では難しいんじゃないか』みたいな話、この世界ではよく耳にしますよね? 理由の1つは、この『浮いてしまう』こと、それを恐れることにあるんじゃないか。それを日々感じていました」

 

『はりぼて』の1シーン ©チューリップテレビ

取材相手や地元の権力層の圧力や経営陣の介入は?

しがらみが宿痾(しゅくあ)となって根を張る土地で調査報道を続けていたら、陰に陽に、取材相手や地元の権力層からの圧力もあったのではないか。あるいは、そういった層と結びついた経営陣から介入はなかったのか。

砂沢氏「いい意味でも悪い意味でも、チューリップテレビでは、報道は聖域みたいになっていました。報道の職場で『あの報道は何だ?』みたいな雰囲気が出ることはあまりなかったんですけど、ほかの部署によく思われていないなと感じることは結構ありました。『やりすぎだ』と。でも、直接には何も言われない。直接言われたら、思いっきり正面から反論するぞ、と思って取材を続けていましたが」
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