高校入試「コロナ禍での変更」に翻弄される危険 私立難関校の志望者はとくに気をつけよう

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コロナ禍により、高校入試の出題傾向が例年とは変わる可能性が高くなっている(写真:Fast&Slow/PIXTA)
「コロナ禍で今年の高校入試は例年とは異なる部分もある」と言うのは、首都圏を中心に約300教室を展開する、大手進学塾・栄光ゼミナールの講師だ。
コロナ禍で、分散登校、夏休みの短縮などの混乱が続く中、2021年春に実施される高校入試(令和3年度入試)の概要が発表されつつある。休校に伴う授業時間減少などを踏まえ、文部科学省から「公立高校入試の出題範囲を配慮」を求めた通知が出された。
これを受けて、東京都の都立高校入試では、数学の「三平方の定理」などが除外されることが示された。このような「出題範囲の配慮」に伴い、高校入試の出題傾向が例年とは変わる可能性が高くなっている。さらに、都道府県によって出題範囲にばらつきが出ており、居住する地域・志望する学校ごとの情報収集や対策が一層重要になっている。
未曾有のコロナ禍の中、高校入試を突破する方法を、栄光ゼミナールの高校入試責任者・内田幸仁氏にきいた。

 

休校、分散登校、オンライン授業、夏休み短縮による学校現場・入試への影響は、広く知られているかと思いますが、「入試の出題範囲の変更」まで踏み込んだ報道はそれほど多くはないように感じます。

例えば、東京都などが発表した「三平方の定理の除外」は、数学の出題に大きな影響を与えます。出題範囲が狭くなったことで、過去問による志望校対策が通用しない可能性があるからです。

数学と英語の影響が大きい

(図表:東京都の発表より作成)
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