益子直美が語る「バレーボール界の暴力」の現実 大山加奈さんと考える「熱血指導と主体性」
暴力や暴言の経験は引退後の今も引きずっている
――まずは益子さんのお話から。暴力や暴言を受けた経験は?
益子直美(以下、益子):私は中高で経験があります。たたかれるのは嫌だけど、私は暴力以上に暴言が嫌でした。一発ぶたれるほうがまだスッキリするんですよ。後を引くというか、言われた言葉がずっと今でも残っていますね。
大山加奈(以下、大山):今でも?
益子:「お前は本当デカいだけだ」とか、「大事なときに決めないと、真のエースではない」とか。それ自体は事実だろうけど、それって指導なのかな。(亡くなった)新谷君も、暴力ではなく暴言で追い込まれたと報道されてるよね。彼の気持ちが私にはよくわかる。
大山:そうですね。暴言も言葉の暴力ですよね。
益子:今でも夢を見るの。全日本時代から1年に1回とか、引退してからもずっと。橋の上から自殺をする夢とか。チーム全員で死んでお詫びを、みたいな。それで私だけ飛び降りられない。うわーって飛び起きちゃいますね。スパイク決められなかった責任とか、自己否定をずっとずっと積み重ねてきた結果だと思うんだよね。「私、本当にダメだな」っていう劣等感を、ずっとずっと引きずっています。
大山:驚きます……。私は小学生のころはきつかったですが、中学、高校は違う指導なので、そこまで追い詰められてはいません。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら