任天堂、「Wii U」に懸ける復活への正念場 前期の"損切り"で収益体質は改善
一方、好調とされてきた携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」は、今期の販売計画が1200万台(前期は1224万台)、ソフトは6700万本(同6789万本)と、安定期に入る見込み。2014年3月末で累計販売台数4333万台と普及が進んだこともあり、足元の販売は伸び悩んでいる。
また、1月の経営方針説明会で任天堂のキャラクターIP(知的財産)の積極活用や新事業として健康関連ビジネスの立ち上げを明らかにしたが、これらは今期の計画に織り込まれていない。年内のリリースを予定しているスマホ向けアプリも、任天堂のゲーム機の稼働率を高めるための販促目的となりそうだ。
本格復活へ道筋はつくか
前期に実施した“損切り”で利益が出やすい体質になった。となれば、行き着くところ、今期の黒字化のカギを握るのはWii Uの成長にほかならない。
岩田社長は「今年の最重点課題は、Wii Uだからこそというソフトの提案」と、マリオカートやスマッシュブラザーズに続く新作ソフトを6月のE3で発表することも示唆した。
それでも、今期の販売目標である360万台を上積みしたところで、2015年3月末の累計販売台数は977万台にとどまる。発売2年目のハードとして心もとない規模であることに変わりはない。これについて、岩田社長は「1000万台はちっぽけではない。ハードの普及を優先して無茶な価格設定をしても、目指すべき方向にならない。(累計販売台数1億台の)Wiiのようなビジネスを狙っているわけではない」と、もう一段の値下げの可能性を否定した。
「任天堂らしい収益に復活したい」と岩田社長が語るように、今期は4期ぶりの黒字化のみならず、本格復活への道筋をつけられるかが問われることになる。しかし、3DSが安定期に入り、Wii Uの本格的な普及が進まない中で、任天堂らしさをどう取り戻していくのか。文字どおりの正念場となりそうだ。
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