社員の紹介ほど有効な採用手段はない 社員全員を採用担当者にする仕掛け

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採用にかかわると会社を正しく理解できる

ある日、異業種交流会で知り合った人が、自分とは違う部署の人だったとします。とてもよさそうな人だけれど、その人のスキルが当社の仕事に合っているのかどうかまでは判断できません。

そんなとき、リクルーティング・チームのほかの部署の人を紹介して、その人に会ってもらうということがよく行われています。その際に自分も同席して話を聞けば、他部署の仕事や視点を学ぶよい機会になります。

もちろん、必要とあらば社長である僕を引っ張り出すことも可能です。もしも自分で説明するのが苦手なら、僕のセミナーに知り合いを誘ってもいい。とにかく、ありとあらゆるチャネルを使い、必要ならチャネルを作ってでも紹介に結び付けるというのが、このチームの目的です。

このリクルーティング・プロジェクトは、採用以外にも大きなメリットがあります。いつの間にか、社員の誰もが自分の会社や自分の仕事について、正しくプレゼンテーションすることができるようになっていくのです。

ちなみに、社員紹介に金銭的な個人インセンティブを与える会社も多いようですが、ビズリーチの場合は違います。半年ごとに目標を設定し、達成したら、チームみんなでちょっと豪華なご飯を食べに行き、打ち上げをするようにしています。もちろん、食事代は会社から支給します。

採用のためのチームではありますが、部署横断型のチームに参加し、ときにはリーダーとなってまとめていく経験は、チームビルティングのよい練習になると考えています。

カジュアルに誘って雰囲気を感じてもらう

こうして社員全員が採用担当者として動くようになってからというもの、ビズリーチでは、優秀な人に気軽に遊びに来てもらう場が作られるようになりました。

そのひとつが、月に1度行われるピザ・パーティです。毎回社員100人以上と、社員の知人が参加しています。あるときから社外の人も参加OKにしたことによって、「会社の雰囲気を見に来てよ」と気軽にお誘いできるようになりました。

会社説明会でどんなに「風通しがよい社風です」「魅力的な仲間が集まっています」と説明しても、本当のところを伝えるのは難しいものです。ならば、実際に社員に会って話をしてもらうことが、会社の雰囲気を伝えるいちばんの近道ではないかと思うのです。一緒に働く仲間たちを理解して入社することで、入社後のギャップも少なくなります。

まずはカジュアルな場で雰囲気を感じてもらい、現職に近い職種の人を紹介して、ざっくばらんに話してもらうチャンスを作る。これが、ビズリーチ流肉食採用術のひとつです。このピザ・パーティの取り組みについては、次回詳しくお話いたします。

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