魔法には「対価」が必要
また、本作には毒リンゴに代表される魔法や不思議なパワーが存在するが、それはとても危険なもののメタファーとしてとらえられている。なぜなら、魔法は必ずしもそれによって自分、または誰かを幸せにするとは限らないからだ。
そのことを体現しているのが、町いちばんの大金持ちで謎めいたゴールド(ロバート・カーライル)である。おとぎの国では、強大な闇の魔力を持つルンペルシュティルツキンという名を持つのだが、彼はさまざまなおとぎ話のキャラクターの願いを魔法でかなえるも、必ず「魔法には対価が必要だ」として、相手が持つ“何か”と引き換えにする。
こうした取引は、往々にして願いがかなった者にとってよい結果はもたらさないことは、想像に難くない。転じて、絶大かつ絶対的なパワーを持つ者、またはそれを利用する場合、どれほどの責任が伴うかについては、現実社会でも肝に銘じたい普遍的なメッセージだと言えるだろう。
はたして、エマはレジーナ=悪い女王の呪いを解くことができるのか? メアリー・マーガレット=白雪姫と昏睡状態の男性=チャーミング王子に、ハッピーエンドは訪れるのか?
現在、アメリカではシーズン3までが終了しているが、シーズンごとにおおっと驚かされる意外な展開に、この先どうなるのかという興味は尽きない。
また、シーズン3のラストでは、なんと『アナと雪の女王』に出てくる触れるものすべてを凍らせる力を持つエルサが後ろ姿で登場した。今秋から始まるシーズン4では、どんな形でエルサが物語に絡んでくるのかが、早くも全米では注目の的となっている(恐らくアナも登場すると噂されている)。アメリカのTVは、こういった時流に乗ることにかけては抜かりがない。
ちなみに、白雪姫役のグッドウィンと、チャーミング王子役のダラスは、ドラマさながらに恋に落ち、今年4月に結婚。現在は1児をもうけて幸せいっぱいの日々だ。「おとぎ話が現実になった」と、作品のヒットに華を添えている。
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