検証!コロナで「父親」の役割はどう変わったか 家庭内における家事育児の不平等はなくなる?
新型コロナウイルスによる自粛期間中、多くの国の父親がこれまでにないほど、自宅で家族と過ごす時間を持った。経済的な観点から、自粛を緩和した地域でも、一部の父親は今でもリモートワークを続けている。
リモートワークにおける父親、と言って真っ先に思い出すのが、2017年に「BBCパパ」として人気を博した2児の父、ロバート・ケリーさんだろう。BBCで朝鮮半島の政治の難しさについて自宅からリモートでインタビューを受けていた際、部屋にまず4歳児が、そして次によちよち歩きの弟が“乱入”してきた映像は、子どもを持つ父親の在宅勤務の難しさを浮き彫りにした。だが、コロナ禍においてもはやこれは楽しいハプニングではなく、どの親にも毎日起こりうる現実となったのだ。
コロナ禍でも家事をする時間に「差」
職場のトレンドを調査するグローバル・ワークプレイス・アナリティクス(GWA)によると、アメリカの労働人口の55%がリモートワークに部分的に対応できる分野で雇用されていると推定している。新型コロナがこの統計にどのような影響を与えるかについては現在調査中だが、GWAは、今後2年間で労働力の25~30%が週1日以上の在宅勤務を行うようになると見ている。
つまり、配偶者とともに在宅で仕事を続ける父親が増える、ということだ。これによって父親のあり方、そして家事育児における「不平等」は解消されるだろうか。
国によって程度の差はあれ、これまで同じ家庭においても収入差を背景に、男性におけるプライオリティーは仕事、女性におけるプライオリティーは家庭になる傾向が強かった。実際、先ごろボストン・コンサルティンググループがアメリカで行った調査によると、対象世帯の3分の2が、女性が家事育児を主に行っているとする一方で、男性が主に行っているとしたのはわずか14%だった。
実はこれはコロナ禍でも大きく変わっていない。同調査では、パンデミック中においても、女性が家事育児に従事する時間が平均で15時間男性より長いことがわかっている。
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