検証!コロナで「父親」の役割はどう変わったか 家庭内における家事育児の不平等はなくなる?
コロナで厳しい状況に置かれているのがシングルファーザーだ。クライヨの共同創業者兼COOであり、既婚で4児の父でもあるトッド・ヤングブラッドさんは、エンジニアとして6歳未満の女の子を2人育てている友人のジレンマをこう説明する。
「彼は自分の仕事に必要な、複雑な作業をするための時間を見つけるのに本当に苦労している。彼を手助けしてくれる人は限られており、シングルマザーと同じような悩みを持っている」
料理、掃除、子育てはいまだ女性中心
ただし、シングルファーザーや妻が医療従事者などでない限り、子育てを中心とした主な家事はいまだに女性が担っている。
消費者レビューサービスを手がけるステラー・レビューのアリソン・ダウニー CEOによると、同社がパンデミック中に実施した調査では、男性は皿洗いや洗濯、ゴミ出しといった従来やっていた家事をより多くやるようになったものの、料理や掃除、自宅学習となった子どもの勉強の面倒を含める子育て全般は依然、女性が中心になってやっているという。
「コロナでもっと男女それぞれの役割が“平準化”すると思っていたんだけど」と、ダウニーCEOは話す。「ただ女性の多くが通常より子どもの宿題に時間を費やしているというデータを見る限りそれは微妙。ここでわかるのは、男性はより家事をやるようにはなっているけれど、結局のところ女性により精神的負荷がかかる状態は変わらない、ということだ」
前述のヤングブラッドさんもこれに同意する。11歳、17歳、19歳、21歳の4人の息子の父親であるヤングブラッドさんは、子どもたちと家で過ごす時間が増えたことを楽しんではいるが、それには工夫も必要だと語る。
「妻のスケジュールが詰まっているときには、私は11歳と17歳がやらなければいけないことを手伝っていた」とヤングブラッドさん。「私も彼らもイライラしてしまい、結果的に妻にとってのよい職場環境作りに貢献できなかった」。そこで自分1人の時間を確保するために、日によっては事務所に行き、自分のことをすることに集中するようにしたという。
前述のヨハンさんも、在宅勤務が増えた当初は、育児や家事の分担などについて明確な議論を夫婦間でせず、これがぎこちなさにつながっていたと話す。「要はきちんとコミュニケーションが取れていなかった」(ヨハンさん)。
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