検証!コロナで「父親」の役割はどう変わったか 家庭内における家事育児の不平等はなくなる?

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一方で、ユタ大学ソルトレイクシティー校で家族・消費者研究に携わるダニエル・カールソン准教授によると、アメリカの男性の大多数は、パートナーと家事や育児を分担したいと考えているという。

実際、コロナ禍では多くの父親がこれまで以上に家事育児に従事した。フェイスブックでエンジニアとして働く、ヨハン・Sさんもその1人だ。「新型コロナ発生以前から定期的に在宅で仕事をしていて、在宅時は普段より多く家事をこなしていた。コロナによって在宅で働くことがルーティン化し、『より多く家事をすること』が習慣化した」と話す。

子どもたちに家事を任せて親の負担を軽減

在宅勤務が常態化したことで、ヨハンさんと妻、子どもたちは(13歳と10歳)はより公平に家事分担するようになった。何より「学校に行かない子どもたちが、より多くの家事をやるようになった」(ヨハンさん)のは、親の負担を減らすうえで大きかったという。

今では家族それぞれが洗濯し、ヨハンさんが食器を洗い、妻が子どもたちの手を借りて床を掃除するのが日課となっている。育児については「仕事の前と後は、私が子どもたちの世話をすることになっている」とヨハンさん。それ以外の時間は妻が面倒を見ており、ズームの授業に参加したり、宿題の手伝いをしたりしているという。

スケジュールを円滑にするために、ヨハンさんは会社に行く場合でも朝9時までは出勤せず(仕事のメールチェックもしない)、通常午後6時までには仕事を終えている(仕事のメールなども避ける)。写真家であるヨハンさんの妻も、コロナを機により仕事時間を決められるようになり、家族全員でスケジュールを共有し、合わせることが容易になった。

「私のワークライフバランスは、今のほうがきちんとしている」とヨハンさんは言う。以前は、朝7時20分頃に出社して午後6時50分頃に帰宅していたが、今では朝7時20分までにベッドから出ることはほとんどなく、午後6時には仕事を終えている。

こうした中でも心がけているのは、フェリーで通勤したり、コーヒーを飲んだり、本を読んだりするといった「自分の時間」を確保すること。その一方で、子どもたちと一緒に朝食をとったり、夜は妻と一緒に長い散歩をしたりと、家族のための時間も長く取るようになった。「仕事の時間配分というよりも、仕事以外の時間配分が変わった」とヨハンさんは話す。

ヨハンさんの経験は、求人検索サイトのフレックスジョブによるリモートワークについての調査結果と一致している。 回答者の75%が、気が散ることが少ないため、在宅勤務の方が、生産性が高いと答えている。

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