GAFA社員が「愛社精神は無価値」と判断する理由 彼らの頭の中は「次の転職先」のことで一杯だ

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なぜGAFA社員は「愛社精神」を持たないのか(写真:JHVEPhoto/iStock)
日本人にとって最初に入った会社や、長く勤めてきた会社には「愛社精神」が湧くのが当たり前だ。一方で、今をときめくGAFA(Google・Amazon・Facebook・Appleの4社の総称)の社員は「愛社精神」とは無縁で、つねに「次はどこに転職しようか」ということばかり考えている。愛社精神がまったくない彼らが、日本企業で働く人たちよりも効率的に働けている理由とは? シリコンバレーで働くエンジニア・酒井潤氏による『シリコンバレー発 スキルの掛け算で年収が増える 複業の思考法』より一部抜粋・再構成してお届けする。

昔から日本人には滅私奉公の精神があります。一度就いた仕事は最後までやり抜く。最初に入社した会社を辞めるのは失礼だ、と考える人が多いのもそのためです。

一方で、基本的にはアメリカ人に愛社精神はありません。自分のスキルが高められるか、認めてもらえるかどうかで会社を評価します。だから、給料が高ければ働きますし、給料が低ければ働かない。とてもわかりやすいです。

「愛社精神」を持とうとしないGAFA社員

GAFAに入りたいというアメリカ人はもちろん多いのですが、その理由の多くは「ITが世界のトップ産業になっているから」、あるいは「トップレベルの企業だから」というもの。

「Googleの検索エンジンに憧れていたので入社したいんです!」なんて志望理由の人はまずいません。

Googleでいったん働いたら、そのあとベンチャー企業や、有望なスタートアップへの転職が簡単になるから、自分の実力がトップレベルだと証明するためにGoogleに入社するのです。

「AIのプログラミングが得意です」「データ解析がこれくらいできます」

このように、自分のスキルを言語化できる人たちがシリコンバレー企業には集まってきます。言い換えれば、AmazonやFacebookなどのGAFAで働く人たちは、愛社精神が低いとも言えます。

アメリカの企業は殺伐とした雰囲気で個人プレーばかりでチームワークがない、と思うかもしれませんが、そんなことはありません。逆に、日本企業よりもチームプレーは成立しています。

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