ダイキン工業、空調シェア1位でも危機感のわけ 「ライバルの三菱電機を引き離せ」と大号令

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――どんな製品やサービスで攻めていくのでしょうか。

住宅用ではエアコンの主力商品「うるさらX」がすでにある。世界で唯一、換気機能もついている点が大きな特徴だ。ある程度小さい店舗用にも使える。

とがわ・まさのり/1949年生まれ。北海道出身。小樽商科大学卒業。1973年ダイキン工業入社。2011年に社長兼COO、2014年6月から現職(撮影:ヒラオカスタジオ)

ただ、あくまで住宅用で、広い空間では使えないため、店舗用として後付け設置用の(排出する空気と吸入する空気との間で熱を交換する)全熱交換器「ベンティエール」を9月に発売する予定だ。従来の製品は設備工事を伴うため、主に新築ビル物件で導入されていたが、新製品は十分な換気量を確保できていない中小規模の既存店舗にも後付けできる。

(ベンティエールはコロナ後の)3月に急いで開発着手し、4月に開発のメドが立った。室温を変えずに換気量を大幅アップでき、高性能フィルターで除菌もできる。飲食店やクリニック、学習塾、美容室などから引き合いがあり、ベンティエールは今年度の戦略機種として位置づけている。

提案営業力が問われている

――かなりの短期間で開発できたのはなぜですか。

もともと経営戦略として、全社横串の10テーマと部門別の176テーマを挙げて(中期経営計画の目標達成に向けた各種施策を)具体的に進めていた。その中でコロナが起きた。

緊急テーマも立ち上げ、ベンティエールはその成果の1つだ。力のある、技術に詳しい副社長を(今回の製品開発に)あて、毎週のように目標を追いかけて進めてきた。これは短期勝負になるとみて、「とにかく3カ月や」と言って詰めてきた結果だ。

当社は空調でグローバルナンバーワンメーカー。強い技術や魅力的な商品、営業力では負けない。これらをフル活用して、コロナの厳しい中でも将来を見据えてやっていく。チャンスもあると思っており、新たなニーズをとらえて伸ばしていきたい。

――三菱電機などの総合電機メーカーもビル設備の強みを生かし、空調や換気などで攻勢をかけています。

もちろんそれはある。業務用空調で言えば、三菱さんが最大のライバルだ。当社は対面営業が強みだが、今回コロナでオンライン営業もどんどん進めている。ただ三菱以上に強いオンライン営業をやれているのかどうか。つねに現場から報告を聞いて注視している。

もっとも業務用が苦しいのはどこのメーカーも一緒だ。店舗も飲食店も今は設備投資にそんなにおカネを使う状況じゃない。一方で、強いところがより強くなって勝てるチャンスでもある。その切り口の1つが先ほど述べた換気や空気質だ。

もちろん、ライバル以上にいかに強い販売力や営業力を構築して顧客密着度をさらに作り上げていけるかに(勝負は)かかっている。従来の延長線上の提案ではダメ。提案営業力が問われている。

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