ダイキンが快進撃、「売上高2兆円」の実力 時価総額はパナソニックや日立を上回る
売上高は2兆円の大台を達成、快進撃はどこまで続くのか。
エアコン世界最大手のダイキン工業は2016年3月期の決算を発表。売上高は2兆0436億円(前期比6.7%増)、営業利益は2178億円(同14.3%増)と前期を大幅に上回って着地。3期連続で最高益を更新した。
中国を除く米国や欧州、東南アジアなどすべての地域で増収となった。唯一減収だった中国は、1%減と前年の水準にわずかに届かなったものの、営業利益は前期を上回っている。中国経済低迷の影響を受け、電機メーカー各社が苦戦を強いられる中、踏ん張った格好だ。
景気減速の中国でも踏ん張る「底力」
背景には、ダイキンならではの決断の早さがある。中国の場合、大型物件向けの業務用空調などが厳しい環境だったため、比較的堅調な需要の個人向けの取り込みに注力。小売り・街売り向け専売店の「プロショップ」における提案を強化したのだ。
その結果、住宅用マルチエアコンが販売を牽引し、下期には住宅市場全体の売上高が前年を上回った。このように、環境が悪化する中でも需要動向を正確に分析できているのは、ダイキンが1990年代前半から足場を築いてきた成果と言えるだろう。
同時に発表した今2017年3月期の業績予想は、売上高2兆0800億円(前期比1.8%増)、営業利益2200億円(同1.0%増)と4期連続最高益を狙う。微増益にとどまるのは、円高の影響が大きい。為替の想定レートは1ドル=110円。2016年3月期の平均レートである120円から10円の円高を想定している。このため、前期と比較すると売上高で1400億円、営業利益で265億円のマイナス影響を受ける。
これに対し、同社は営業や販売を強化、国内では売価維持を徹底する。さらに原価低減など、320億円のコストダウンを進めることで増収増益を確保する計画だ。
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