東芝が過去最悪の赤字、終われない「綱渡り」

大混乱の1年が過ぎても、課題は山積みだ

東芝は医療出身の綱川智副社長(左)が社長に就任し、経営再建に臨む(撮影:梅谷秀司)

不適切会計発覚から1年が経った――。この間、東芝は2度にわたり有価証券報告書の提出を延期、歴代3社長の追放、特設注意市場銘柄への指定、異例の土曜日決算発表、訴訟など大混乱が続いた。

市場の信頼も失墜。不適切会計問題を公表した昨年4月3日の前日の株価は512円だったが、5月12日の終値は222円と、半値以下に下げている。

東芝は5月12日に2015年度決算を発表した。室町正志社長は社長就任以降、ほぼすべての会見に出席し、直接説明してきたが、今回は平田政義最高財務責任者(CFO)のみだった。有事から平時に戻ったことを強調したかったようだ。だが、決算をみる限り、厳しい状況は続いている。

史上最悪の赤字決算だった

売上高は5兆6701億円(前期6兆1146億円)、営業利益は7191億円の赤字(同1884億円)と過去最悪の赤字に終わった。主な要因は、米原発子会社ウエスチングハウス(WH)ののれんの減損や、リストラなどの構造改革費用だ。

事業自体も悪化しており、電力・社会インフラ、昇降機などのコミュニティソリューション、半導体・ストレージなど、全部門が赤字となった。100%子会社の東芝メディカルシステムズをキヤノンに6655億円で売却し、3817億円の売却益を計上したが、繰延税金資産の取り崩しが3000億円もあり、純損失は4832億円、株主資本比率は5.8%となった。

続く2016年度の業績予想は売上高5兆1000億円、営業利益1200億円と急回復し、主要全事業の黒字化を達成する計画だ。前期の減益要因だった巨額減損やリストラ費用がなくなることが主な理由だ。

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