冷蔵庫の中で「食中毒菌」を増やす人のNGな行動 「ドアポケに卵」など落とし穴がいっぱい

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潜伏期間もさまざまだという食中毒だが、胃腸風邪などとの見分け方は。

「夏場はとくに食べたものや、周りで同じような症状の人がいないかを確認します。同じ嘔吐・下痢でも、胃腸系の風邪と違って食中毒の場合は抗生物質の投与が効果的ですから、少しでもその疑いがあれば医師に相談することをおすすめします」(大河内先生)

冷蔵庫保存の盲点を意識して、しっかり食中毒対策を!

冷蔵庫で食中毒菌を増やさないために

外気温が高い真夏は、冷蔵庫の扉の開閉によって庫内の温度も変化する。

「開閉の頻度を少なくし、長時間あけておくことも避けましょう。食材の表面温度が上がると、結露ができ、細菌やカビ菌が発生しやすくなります。保冷用の冷蔵庫カーテンをつけるのもいいと思います」(金内先生)

また、冷蔵庫用温度計を使ってみるのも手だという。

「冷気が循環していないと霜が付着し、湿気を好む菌が広がる可能性が。食材がぎっしり入ったときに奥側と手前側の温度が異なる場合がありますから、確認してみましょう。食材を探すなどして長時間、冷蔵庫を開けてしまう原因としても冷気の循環を妨げることでも、食材の詰め込みすぎはいろんな意味でマイナスでしかありません。7割程度を心がけましょう」(金内先生)

また意外に見落としがちなのが野菜室。

「野菜は育てるときに肥料として動物の糞を使っているわけです。動物の糞は、O-157やカンピロバクターなどさまざまな菌を保有しています。野菜室の設定温度は冷蔵庫より高く、野菜に付着した土から雑菌が発生するおそれもあるので注意が必要です。食べるときによく洗うのはもちろん、菌を広げないために新聞や袋に入れて保存をしましょう」(金内先生)

さらに冷蔵庫に入れておくだけでは安心できない食中毒の原因がもう1つある。

「近年、アニサキスといった寄生虫による食中毒患者も増えています。流通システムの発達で、冷凍せずに家庭の食卓に並ぶ魚介類も増えました。冷凍すれば寄生虫も菌も死滅するのですが、鮮度はよくても寄生虫が死滅しないまま食べてしまうことに。魚の内臓に寄生していることが多いので、食べるときにはしっかり火を通す、細かく切るなどして十分に気をつけましょう」(大河内先生)

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