ニッケイヘイキン号は、これから抜け出すコースが見つかるのか、また仕掛けのタイミングはいつがいいのか。あるいは、進路を失ったり、脚勢が衰えたりしてずるずる後退するのか、そろそろ勝負どころに差し掛かっている。
では日経平均は、上に抜けるのか、下に抜けるのか?
「モミ合いの後は、抜けた方向に大きく動きがち」という、チャート分析によくあるセオリーは、株価がランダムに動いているとしても、「事後的に見ると、そう見える」ことが多いという当たり前のことに過ぎない。とはいえ、上下どちらに「抜ける!」か、気になるのが相場心理だ。
官僚からみた、ニッケイヘイキン号の走らせ方
日本のマクロ経済にあって、馬を仕上げて、騎手に乗り方を指示する調教師に当たるのは、主として集合的な官僚の意思だ。調教師にとってG1レースのゴール板は「年末までに安倍首相に消費税率を10%まで引き上げるよう、決定させること」だ。
日本の政治家は、意思決定の権限はあるけれども現場がわからない素人馬主にほぼ近い。あれこれ意見をわめくが、実務能力が乏しく具体的な方針は決められない。閣僚でもないヒラの議員に至っては、馬が勝った時に記念写真を撮りに来る一口馬主くらいの存在感だ。自民党は大きいだけで、競馬における社台グループのような力は持っていない。
馬である日本経済に乗っている騎手は、霞が関の主に経済官庁と日銀であり、主として手綱を持っているのが財務省で、実際に鞭をふるうのが日銀だ、というくらいの役割分担である。
株式投資家の読者は、ニッケイヘイキン号の馬券を買い、ハラハラしながらレースを観ている競馬ファンである。投資額が人によってマチマチなのも、馬券と同じだ。
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