「ニッケイヘイキン号」に進路はあるか? 山崎 元が読む、ちょっと先のマーケット

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そして、驚いたのは、直後の11Rフローラステークス(GⅡ)で4番人気のサングレアル号に乗って勝った岩田騎手のメンタルの強さだ。これはすごい。
 繰り返すが、岩田騎手に悪意はなかったのだろう。しかし、強引で危険な騎乗であった。同騎手には実質2週分の騎乗停止の処分が下ったが、レースの安全へのインセンティブを考えた場合、この処分は軽すぎるように思う。

JRAは近年、騎乗の安全に関する規制を緩和したように見えるが、総合的に見てこの規制緩和が良かったのかどうかは、検証が必要だろう。見応えのあるレースを増やす「成長戦略」になるよりも、不確実性と危険を増やし、レース結果への納得性を低下させて、ファンの競馬離れにつながる可能性もある。1998年に実施された通称「日本版ビッグバン」の一連の規制緩和の中に、個人向けにEB(他社株転換権付債券)のような悪質商品を売らせるような「悪い規制緩和」があったことを思い出した。

「ニッケイヘイキン号」の、仕掛けタイミングは?

昨年1年で、日経平均でみると約57%も上昇した日本の株価だが、今年に入ってから、思うに任せない展開で伸び悩んでいる。

われらのニッケイヘイキン号は、年初には、いよいよこれからもうひと伸びして突き抜けるような勢いに見えた。だが、ハイペースで馬群を先導していたチャイナ号の脚色がおかしくなって前が詰まったり、豪腕でなるプーチン騎手に乗り替わったクリミア号に押圧されたりで、直線に入ってから1万4000円と1万5000円の狭い幅に迷い込んで、激しく右往左往している。4コーナーまでは、常に本命のアメリカ号を視界に、平均ペースを守りつつインコースを回って来た。具体的な不利を受けたわけではないが、隣を走るバテ気味の馬も、女性騎手のオーバーアクションが目障りだ。

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