ネットで炎上する人が犯す致命的ミスの本質 不適切な発信や正義感を不用意に刺激しない

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自分のことを何も知らない匿名の第三者から批判されるのは、気分が悪いものです。人格否定をされたような気がして、つい反撃したくなる気持ちもわかります。ぼくら日本人はディスカッションやディベートに慣れていませんから、相手から強い調子で何か言われると、人格否定や個人攻撃と受け取ってしまいがちです。

ただし、本当にスキや非があったのなら絶対に反撃してはいけません。印象が悪くなるだけでなく、さらに火を大きくされてしまうおそれがあります。仮に問題がなかったとしても、言葉を荒らげて反撃しては相手の土俵にのって売られたケンカを買ったように見えてしまいます。

ネット上の議論に勝つことはあり得ない。相手を変えることもできない。売られたケンカを買わない。逃げるが勝ち、なのです。

自分と違う意見や反論が返ってくるのは当たり前

ある意見には、必ず反対の意見が存在します。ネット上での発信がかんたんにできるようになったということは、知らない人に自分の意見を聞いてもらえるかわりに、反対意見の人からのフィードバックが返ってくる可能性もあるということです。発信をするなら、自分と違う意見を聞かされたり、反論が返ってきたりするのは当たり前なのです。

『自分の名前で仕事がひろがる 「普通」の人のためのSNSの教科書』(朝日新聞出版)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

ぼくらがSNS発信をするのは、自分の意見と異なる見方を得て仕事に生かすためです。そう思わなくては、反論された瞬間に「どうしてそんなひどいことを言うの?」と感情的になってしまいます。指摘されるのは嫌、人の意見は聞きたくないという人は発信をしないほうがいいでしょう。

そもそも、個人が発信をすること自体が、ある種のエゴイズムを含む行為です。自分の話を聞いてほしい、宣伝したい、キャリアアップしたいというエゴがあるから発信しているのです。そのエゴがある以上、ネガティブに受け取る人は必ずいます。

SNSによる発信はリターンもあればリスクもある、諸刃(もろは)の剣です。インターネトやSNSのしくみに由来する炎上のリスクがある以上、何でも発信していいわけではありません。

しかし、やってはいけないこと、やらないほうがいいことを差し引いても、不適切な発信や、人の正義感を不用意に刺激する内容は避けながら、うまく発信を続ければ、SNSはビジネスパーソンにとって十分なリターンをもたらしてくれます。

徳力 基彦 noteプロデューサー、ブロガー

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とくりき もとひこ / Motohiko Tokuriki

NTTやIT系コンサルティングファーム等を経て、アジャイルメディア・ネットワーク設立時からブロガーの一人として運営に参画。代表取締役社長や取締役CMOを歴任し、現在はアンバサダープログラムのアンバサダーとして、ソーシャルメディアの企業活用についての啓発活動を担当。note株式会社では、noteプロデューサーとして、ビジネスパーソンや企業におけるブログやソーシャルメディアの活用についてのサポートを行っている。
個人でも、日経MJやYahooニュース!個人のコラム連載等、幅広い活動を行っており、著書に「顧客視点の企業戦略」、「アルファブロガー」等がある。

 

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