ネットで炎上する人が犯す致命的ミスの本質 不適切な発信や正義感を不用意に刺激しない

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発信者が大手企業や有名企業、上場企業に勤めていた場合は、たとえそれが個人の発信であっても、その人が所属する組織の姿勢まで問われることがあります。「あの会社の人がそんなことをするなんて」という切り口でさらに話題性が増し、拡散してしまうのです。

とくに時事ネタなど、社会全体が特定の話題に注目しているタイミングでそれに関連する発信をすると、自分でも思わぬ反響が出てしまうことがあります。炎上芸人やインフルエンサーはあえてそういう話題に言及して、有名になろうとするかもしれません。しかし、ビジネスパーソンにとってはこのような発信は危険すぎます。

このように、SNS発信は、たった1人の正義感を発端に、個人や企業の問題ある言動がすぐさま話題になってしまう可能性もはらんでいるのです。

不適切なことをせず、最初の対応を間違えない

では、炎上を起こさないようにするためにはどうすればいいのでしょうか?

結論としては、シンプルです。リアルでしないような不適切な言動をしなければいいのです。

ビジネスに役立てることが目的ならば、まず所属する組織に迷惑をかけないことを基本スタンスとして頭に置く必要があります。

SNS発信をするから炎上するのではなく、不適切なことをするから炎上するのです。物事は白黒で片づけられることばかりではありません。人によって考えが異なるのはあたりまえのことです。

炎上は、最初の発信で起こることはあまりありません。炎上が起こるのは、往々にしてその後の対応を間違えているからです。

間違いは誰にでもあるものです。その時、不適切な言動を認めて修正し、謝罪すれば、まず炎上することはありません。これはリアルのコミュニケーションと同じです。仮に失礼なことを言ってしまっても「今のは失言でした、ごめんなさい」とすぐに謝れば、たいていの場合は許してもらえるものです。ネットの炎上は、この謝罪をしなかったり、ウソをついたり、相手の指摘を無視することによって発生するのです。

炎上は、「ボヤ」の段階で初期消火することが肝心です。火が大きくなると消すのはどんどん難しくなります。指摘を受けたら、冷静になって内容を見直してみて、相手の指摘がもっともだと思うなら、素直にすぐ謝ったほうがいいのです。

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