アフターコロナはバブルになる可能性が大きい

適応的市場仮説でコロナ後の市場を考えてみた

今年の3月にかけて内外の株価が急落した「コロナショック」は、株価の下げの大きさと何よりもそのスピード、そして、株価の戻りのスピードが「意外」であった。

伝統的な金融論の意味で合理的に解釈しようとすると、例えば、コロナが経済に与えると予想されるマイナスのインパクトが当初非常に大きくて、その後に幾らか小さく修正された、というような市場参加者の「期待」(予想の平均)の変化が対応しなければならない。だが、この間、中国を除き先進国を中心として、経済成長率見通しはほとんどがマイナス幅拡大の方向に変化していた。

アメリカでいうと、2020年のGDP成長率が3、4月時点でマイナス3%くらいと予想されていたのに対して、今はマイナス5%台の数字を予想するエコノミストが多い。日本も欧州諸国も、この間の実体経済に対する見通しの変化は「悪化」だ。

「エルズバーグのパラドックス」とは?

しかし、株価は大きく戻った。これに対して「実体経済と株価の危険な乖離だ」と警戒する論調もある。株価が戻る理由には、FRB(米連邦準備制度理事会)をはじめとする先進国の中央銀行の金融緩和と財政政策の後押しも小さくないと思われるのだが、これに加えて、当初は「(経済にとって)どのくらい怖いか得体の知れないコロナ」から、現在では「厄介な感染症だが(相対的には)正体が見えてきたコロナ」に人々の認識が変化したことの影響があるだろう。

これは、どちらかというと人間の生物的な進化の過程で組み込まれたバイアスだと思われるが、人は同じオッズのはずの賭けでも中身の詳細が分からない賭けを嫌う傾向がある。

前掲書に「エルズバーグのパラドックス」(p75)と呼ばれる現象の説明がある。人間は「赤玉50個と白玉50個」の壺から取り出す玉の赤白に賭ける方が、「中身は赤玉か白玉のどちらかだ」と言われた壺から取り出す玉の赤白に賭けるよりも「リスク回避度が小さい」傾向があるのだ。どちらの賭けも赤白五分五分で、赤白どちらに賭けてもいいにもかかわらずだ。

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