26歳で「年商1億」を達成した大工の意外な副業 若手が少なく後継者不足が問題になっている

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充実したキャリアを築いている手槌さんに、今後の大工のあり方や現在の課題についてきいた。

「大工さんの世界で、後継者不足は深刻な問題です。だから僕のところでも、意識して若い人を育てようとしてますね。その際は将来的に建築のことなら何でもこなせる”スーパー大工”になってもらうことを目標にしています。だから僕の会社には営業マン、現場監督、事務員はいません。職人自らがエンドユーザーと折衝したほうが、無駄な工程を省いてお客様に喜んでいただけますし、ビジネス的にも成長の可能性があると思っているからです。

僕らの世代が身をもって『若くても成功でき、工務店としての仕事を長く軌道に乗せてゆける』という道筋を示せれば、大工さんを志望する若者も増えてくると思うんです」(手槌さん)

2020年まではオリンピックの予定もあり大型の都市開発が多く行われてきた。とはいえ人口が減少の一途をたどる日本では、新築物件の着工件数は減っていくだろう。

「守備範囲」を広げることで稼いでいく

野村総合研究所の予測データでは、2030年度の新設住宅着工戸数は2018年度の95万戸から63万戸に減少するとのこと。一方で、リフォーム市場は6兆~7兆円台で横ばいが続く見通しだ。中古住宅の売り上げも堅調な今、小回りの利く工務店は将来的に活路がありそうだ。

リフォームの工事はクライアントが個人のことも多く、1対1の細やかな対応が求められる。それには技術一本の単能工よりも、さまざまな役割をこなす多能工のほうがフィットする。

今後の消費者ニーズに順応するためにも、大工という仕事が”稼げる仕事”として新しいステージに進化するためにも、技術の継承に加えて守備範囲を広げることが必要となってくるのかもしれない。

蜂谷 智子 ライター・編集者 編集プロダクションASUAMU主宰

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はちや ともこ / Tomoko Hachiya

東京都出身。上智大学大学院文学研究科博士前期課程修了。語学教材の専門出版社を経て2014年よりフリーランスのライター・編集者として活動。住宅・教育分野の執筆多数。

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