26歳で「年商1億」を達成した大工の意外な副業 若手が少なく後継者不足が問題になっている
次なる手槌さんの野望は、工務店を経営しながら、不動産業に進出することだ。
「この前、うちの会社に宅地建物取引士の資格を持っている人が入ったので、ゆくゆくは不動産を取得して、自分でリノベーションして売りに出すようなこともしたいと思っています。
手始めに自分の家族のために中古マンションを買って、リノベーションしたんです。完成時には内覧会もやりました。5年後をメドにここを売るか貸すかして、新しい物件を買いたいですね。新しい物件を買ったら、またリノベーションして内覧会をして……ということをすれば、自社のアピールにもなるかなと。いってみれば、事業も兼ねた”住み移り”です」(手槌さん)
2019年12月に賃貸住宅から移り住んだ自宅は、手槌さんが自分でデザインし、今までに培ってきた工法を駆使してリノベーションした。
インテリアの曲線的なあしらいや、鎧兜のような壁板の貼り方、中国から直輸入したテラゾータイルという鉱石を埋め込んだような人工タイルのアクセントが目を惹く。特徴的な内装で、内覧会の評価も上々だった。
ショップの施工・設営も手掛ける
手槌さんは住宅のリノベーションだけでなく、デザイン性の高いショップやイベント会場の施工・設営なども手掛ける。手槌さんの技術力は業界内でも有名で、イレギュラーな設計にも対応できることに定評がある。
「たとえば天井や窓枠などのアール(曲線)はレアな施工なので、経験のない工務店は嫌がるのですが、僕は率先してやっています。
そのとき大変でもイレギュラー案件に対応して乗り越えれば、希少な技術を獲得できる。建築家やデザイナーの意を酌むための勉強もおこたりません。海外の建築やインテリア雑誌には目を通してますね」(手槌さん)
営業が仕事に結びつくのは、技術があってこそ。フットワーク軽く事業を広げる根本に、大工としての技術がある。
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