中学入試の社会「共通テスト」が与える深い影響 大学入試改革で、中学入試はこうも変わる
2021年春からスタートする、大学入学共通テスト。これまでに2回、試行調査(トライアル)が実施されていますが、その試行調査の出題傾向や、最近の中学入試の変化を踏まえて、今後の中学入試対策を紹介します。私が社会科の講師ということもあり、今回は社会科を題材に解説していきます。
大学入学共通テストの出題傾向の変化
試行調査の地理歴史の問題を見てみると、初出の史料・グラフをもとに考えさせたり、知識をもとに類推させたりする出題が目立ちました。問いかけも複雑になり、一つひとつしっかりと読んでいく読解力は必須です。読解したうえで思考しないと、正解にたどりつけなくなっています。
つまり、現在の小学生たちが受けるときには大学入試が大きく変わっています。中学入試と大学入試は別、と考えている保護者の方々も多いでしょう。まして、目の前の中学入試に手一杯で、大学入試のことまで考えられない──というのがホンネかもしれません。
しかしながら、各中学校は6年後の大学入試を踏まえて、より思考力が伸びそうな生徒を求めてくるでしょう。近年の中学入試の問題に、思考力を意識した出題が増えてきています。
では、思考力重視に変化しつつある、中学入試に向けて、どのような準備をしていけばよいのでしょうか?
例えば、近年、東京大学合格者数全国第6位(2019年度入試)をはじめ、国公立、早慶をはじめとする難関私立大学、海外大学の合格実績を伸ばしている渋谷教育学園幕張中学校の、2020年入試問題では、以下のような出題がありました。
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