問題多い高速道路の無料化、値下げして永久有料にし、高速会社は真の民営化を
無料開放することの矛盾
だが、画一料率制や償還主義には矛盾が多い。同じ規格だから料金も同じ、というのが画一料率制の根拠だが、東名のような混雑路線と車があまり通らない路線の料金が同じということは、経済原則に反する。
償還主義に至っては根拠すら乏しい。
宮川氏は「償還主義を最初に決めたことが問題。永久有料制にすれば、料金は3~4割安くできる。それができないのは、霞が関の権限争いのため。旧建設省の道路局が無料化にこだわるのは、永久有料制だと道路運送法上の道路と位置づけられ、旧運輸省の自動車交通局の所管になってしまうからだ」と指摘する。
確かに、45年間で債務をすべて返済して無料開放するのはおかしなことだ。建設コストには減価償却の不要な土地代が相当程度含まれる。これも含めて45年で完済するのだから料金はどうしても高くなる。有料制のフランスやイタリアなどと比べ、日本の高速道路料金はかなり高い。
また、料金には、維持管理や補修の費用が含まれているが、無料化後も、当然こうした費用は発生する。これはどうするのか。
そこで、永久有料制にして、料金は高速道路会社が弾力的に決められる仕組みを提案したい。
JRの特急料金も、現在は各社が弾力的に設定できるようになっている。高速道路の場合、料金の上限だけを国が決め、それ以下の水準で各社が自由に設定できるようにしたらどうか。混雑の激しい大都市近郊の上限は、現在の料金と同程度でいいが、地方部は現在より低い水準を上限とする。