問題多い高速道路の無料化、値下げして永久有料にし、高速会社は真の民営化を
現状、高速道路会社は利潤追求のインセンティブを持ちにくい構造となっている。民営化時点で、債務と資産を独立行政法人に分離し、高速各社は通行料収入をリース料として独法に支払い、債務返済に回すこととした。リース料は、利益が出ないような水準で設定される仕組みだ。
これを改め、高速各社が債務も資産も保有し、料金は、需要動向を見ながら各社が上限以下で自由に設定する。地方部では、需要喚起へ料金を大幅に下げてもいい。債務は利益を圧迫しない水準まで削減する。要は、民営化を徹底するのである。
加えて、新路線建設に関しては、各社が需要を予測し、それぞれのネットワークで採算がとれると判断した場合にのみ実施すべきだ。
国が整備目標に掲げる高速道路(高規格幹線道路)の全国ネットワークは、1万4000キロメートルにも及ぶ(現在の開通区間は約9500キロメートル)。だが、この目標はバブル時代の1987年に決めたもの。これにこだわるのは馬鹿げている。
今行うべき高速道路政策は、無料化ではなく、高速会社の真の民営化と料金設定の弾力化による引き下げだ。
(シニアライター:柿沼茂喜 写真:梅谷秀司=週刊東洋経済)
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