孫正義社長の懐刀が明かす「MaaS」次の一手 モネ・テクノロジーズの宮川社長に聞く

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シェアードビジネスにとっては嫌な時期が来たのは事実だが、モネにとってはビジネスチャンスばかりだ。モネコンソーシアムの会員企業にアンケートをしたら、9割が(業績の)影響を受けているという。

それでも、35%の会員企業が2021年度中に(移動を絡めた)サービスを開始したいと。急に言い出した感じだ。

みやかわ・じゅんいち/1965年生まれ。1991年にインターネット接続事業者の「ももたろうインターネット」起業。2001年にビー・ビー・テクノロジー(現ソフトバンク)入社。2006年に買収したボーダフォン日本法人(現ソフトバンク)のCTO(最高技術責任者)、米携帯大手スプリントの最高技術執行責任者を歴任。2018年4月ソフトバンク副社長執行役員兼CTO就任。同年9月からモネ・テクノロジーズの社長兼CEOを兼任(写真:モネ・テクノロジーズ)

――これまでMaaSに関しては様子見の企業が多かったように思います。企業の考え方がなぜ変わったのでしょうか。

みんな自粛して巣ごもりが嫌だったんじゃないのかな。外出できるとしたらどんな方法があるんだろうと考えたのかもしれない。移動手段として感染症対策ができた車の配車があったらよいという人もいた。

今回のコロナ禍ではフードデリバリーばかりがクローズアップされたが、われわれへの問い合わせでいちばん多かったのは医療MaaSだった。

「PCRカー」もつくりたい

長野県伊那市で看護師を乗せた車両で患者のところに行き、病院にいるドクターが遠隔で診察する実証実験をやっている。そういった車両を導入できないかという自治体からの問い合わせはものすごくあった。高齢者が病院まで行くのは感染リスクがあるから、診察をする車が来てくれたらベターというわけ。

自治体からは行政サービスを“移動させたい”という要望もたくさんもらった。住民票や印鑑証明書を出張サービスで発行したいと。テクノロジー的には十分可能なので後は行政自身がデジタル化してくれたらいい。

本当は(新型コロナの感染を検査する)「PCRカー」を作りたいと思っている。なかなか許可をもらえないだろうなと思いながら。

コロナ後の「新常態」とどのように向き合っていくべきなのか。「週刊東洋経済プラス」では、経営者やスペシャリストのインタビューを連載中です。(画像をクリックすると一覧ページにジャンプします)

――モネはもともと、地方での移動手段の提供などMaaSによる社会課題の解決を掲げていました。新型コロナで貢献できる領域が増えたわけですね。

まさにそれを痛感している。

「たられば」を言ってもしょうがないが、もし自動運転車があって、この新型コロナを迎えていたら、われわれはもっと社会の役に立つ会社だったと思う。ドライバーの感染リスクもなくなるし、滅菌システムを搭載することで乗客の降車後に消毒もできるのだから。

「週刊東洋経済プラス」のインタビュー拡大版では、「孫正義氏と豊田章男氏の共通点と相違点」「ソフトバンクとトヨタの企業文化の違い」「モネ・テクノロジーーズによるサービス拡大のシナリオ」「海外展開の考え方」などを率直かつ詳細に語っている。
木皮 透庸 東洋経済 記者

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きがわ ゆきのぶ / Yukinobu Kigawa

1980年茨城県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。NHKなどを経て、2014年東洋経済新報社に入社。自動車業界や物流業界の担当を経て、2022年から東洋経済編集部でニュースの取材や特集の編集を担当。2024年7月から週刊東洋経済副編集長。

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