生活に合わせて運賃制度を変えていく
――コロナ後の鉄道需要をどう喚起しますか。
短期、中期という視点に分けて考えないといけない。短期的には、安心して電車に乗ってもらうための取り組みをいろいろと行っている。多くの人に移動してもらう旅行商品として、価格面だけではなく、1人でも過ごせるといったニーズに合わせた商品を提供しなくてはいけない。
難しいのは「3密」を避けることだ。たくさんの人が集まりそうな企画は今のタイミングでは出せない。来年の3月まで実施するなど、意識して期間を長く設定した企画を作っている。
中期的にはビジネスの基本的な部分の変革が必要だ。現在の運行ダイヤや運賃は従来の生活スタイルに合わせて定められてきた。通勤電車の利用のピークは朝の出勤時と夜の帰宅時にあったが、現在は朝のピークの山が従来の半分くらいになり、その前後の時間帯が増えて、台形のような形になっている。
夕方も終電ぎりぎりまで多くの人が乗っていたが、より早い時間帯に利用がシフトしている。こうした生活スタイルの変化に合わせて運賃制度を変えていきたい。例えば、定期ならピークの時間帯よりもピークの前後に乗るほうがメリットのある商品を検討している。
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