そうした環境下で、どこで在宅ワークをしていたのか。同調査によると、戸建て住宅の54%が個室で、リビングダイニング(LD)の41%を上回り、逆に集合・賃貸住宅ではLDが71%と、個室の27%を大幅に上回っていた。
図は個室派とLD派で、在宅ワークで重視した要素を表したものだ。それぞれで異なるが、「実際には両方の要素が必要でバランスが大事」と、同研究所顧問の松本吉彦氏は指摘している。
中でも、多くの人が気にしたのが家族の存在ではなかろうか。特に子どもがいる世帯ではそうだ。新型コロナウイルスの感染拡大は、学校休校や保育施設の閉鎖を招き、それも人々の暮らしに大きな変化をもたらした。
同研究所では子どもと在宅ワークの関連についても調べており、小学生以下の子どもがいる世帯の半数で家族の気配や見守りも重視し、LD派のほうがその傾向が強かったことを指摘している。
今後は在宅ワークが当たり前に
さて、経団連による「緊急事態宣言の発令に伴う新型コロナウイルス感染症拡大防止策 各社の対応に関するフォローアップ調査」によれば、在宅ワークを導入していると回答した企業が406社中97.8%にのぼっていた。
緊急事態宣言解除後、出勤者が増えたが、働き方改革や生産性の向上の観点から、今後も多くの企業が在宅ワークを継続しそうだ。また、前述した積水ハウス住生活研究所の調査でも、多くの人たちが今後も在宅ワークを前向きに捉えていることが明らかになっている。
そうしたことから、仮にウイルス感染が収束しても在宅ワークはある程度、定着するものと見られる。そうなると、在宅ワーク向けの空間など、ステイホームに対応する住まいへのニーズが高まることは確実だ。
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