高橋泰教授が新型コロナをめぐる疑問に答える

暴露と感染の広がり方、PCR検査の問題を解説

――新型コロナの感染拡大は都市型であり、地方では感染のチェーンが切れがちとのことですね。

感染拡大について上の図で解説しましょう。この図では水色の四角で囲んだ部分が、新型コロナに暴露した人々です。その中で色がついているのは、暴露したうち感染に至った人です。

しかし、青色で示した多くの人は自然免疫が強くてほとんど無症状か気がつかないほどの軽症で、ウイルスの排出もほとんどなくスプレッダーにならない。また、黄色の人は、無自覚スプレッダーで、一時的にウイルスを排出するが、自然免疫で治る。

ところが、発生確率は低いけれど、自然免疫では抑えられず獲得免疫が出動し、風邪のような症状もかなり出て、ウイルスも多めに排出して人にうつすオレンジの人が出てくる。さらに、明らかな熱や咳などの症状が出たのが赤色の人で、PCR検査したら陽性になって入院することになる。

都市型感染拡大の一部をたまたま見つけている

赤色の人の周辺を検査したら陽性者が4名見つかった。そこで、この赤色の丸で囲まれた部分を、現状では「クラスターが発生した」と表現しているが、実はたまたま、見つかったにすぎない。

現在は検査を増やしているので、陽性者の発見が増えている。3月下旬は検査数が少なかったが、実効再生産数はピークであり、この時にもっと検査していたら、今の数十倍から数百倍のPCR陽性者が見つかっていたのではないかと私はみている。

図は都市部の広がり方だが、クラスターから4代目までうつしていたという例は今まで報告がないようだ。そのことからも、ウイルスの暴露力は強いが伝染力は弱く、感染のチェーンは切れやすいと考えられる。過密な状態ができないと暴露数も少なくなり、上の図でいえば水色で囲まれた部分の規模が小さくなるので、一般的に都市部より地方のほうが感染は広がりにくい。

また、付け加えれば、自然免疫力が日本人よりも弱い人が多い欧米の場合、同じ数の人が暴露しても日本より発症者が多く、伝染のスピードが早い。入院を要する人の数も比例して増える。また、海外を見ても、人口密度の高い都市部のほうが被害は大きい。

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