高橋泰教授が新型コロナをめぐる疑問に答える 暴露と感染の広がり方、PCR検査の問題を解説

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――世界的にも感染者数の拡大に焦点を当てた報道が多いですね。

世界的に見ても、日本と同様に検査数の拡大によって感染が見つかる数は急激に伸びているが、死者数はそれほどには増えていないんですよ。

――若い人が動き回って高齢者にうつすことについては、どう考えますか。

ときに誤解も拡散されるオンラインニュースの時代。解説部コラムニスト7人がそれぞれの専門性を武器に事実やデータを掘り下げてわかりやすく解説する、東洋経済のブリーフィングサイト。画像をクリックするとサイトにジャンプします

確かにそのリスクは高まるし、高齢者のほうが死亡リスクも高い。GoToキャンペーンにしても、他の活動にしても人の移動が活発化すれば、当然、感染リスクは高まる。しかし、私のシミュレーションでは、それでも、10万人当たりの死者が3人を超えることはなさそうだという予測です。一方、10万人対比16人が自殺で亡くなっており、経済活動の停滞が続くと、自殺者が急増する危険性が指摘されている。

また、新型コロナ感染を怖がって健康診断を延期する人が多く、従来ならば発見されるはずの早期がんの発見が遅れ、救えるはずの命が救えなくなることが危惧されている。さらにステイホームにより体重が増えると、細胞表面のACE2アダプターが増え、感染と重症化の確率が上がるという研究報告がある。高齢者ではデイケア・デイサービスに行けず、認知症が進み足腰が弱る人も増えている。

このように新型コロナの暴露確率を下げるメリットと他のリスクを高めるデメリットのバランスを考慮して対策の内容を見直す必要があるだろう。

大崎 明子 東洋経済 編集委員

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おおさき あきこ / Akiko Osaki

早稲田大学政治経済学部卒。1985年東洋経済新報社入社。機械、精密機器業界などを担当後、関西支社でバブルのピークと崩壊に遇い不動産市場を取材。その後、『週刊東洋経済』編集部、『オール投資』編集部、証券・保険・銀行業界の担当を経て『金融ビジネス』編集長。一橋大学大学院国際企業戦略研究科(経営法務)修士。現在は、金融市場全般と地方銀行をウォッチする一方、マクロ経済を担当。

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