政府が未来投資会議で示した「アフターコロナの社会を見据えた成長戦略の素案」では、働き手に副業での労働時間を本業の勤務先に申告させたうえ、勤務先には通算した労働時間で残業時間の上限規制をするという方向で審議が進んでいます。副業で働く人の労働時間をきちんと管理することで、働き手を守る仕組みを整えることが狙いです。
副業禁止の企業が少なくない中で
しかしこの施策がうまくいくかどうかは疑問です。そもそも日本は、副業を禁止する企業が多く、“副業するならバレずにやらないと……”という風潮が色濃い国です。確定申告や住民税の計算によって副業はバレるにもかかわらず、“どうやったら会社にバレずに済むか”を考える副業派が実に多いのが実態です。
こっそり副業がデフォルトの国にあって、在宅勤務のスキマ時間に稼ぎたい副業派が増えているわけです。コロナ禍の在宅勤務では、ただでさえ“サボってないと思われないか?”という気持ちが生まれがち。本業でさえそんな疑心暗鬼な状況の中で、「自分、副業やってます」と明るく申告する人が、果たしてどれだけいるでしょうか。
コロナ禍で在宅勤務が広がっていく中、通勤しないことで浮いた時間、あるいは仕事合間のスキマ時間といった「可処分時間」をバレずに換金化したい――。こうした「こっそり副業」の流れは、さらに加速していくでしょう。
クラウドソーシングでのデジタル内職系のシゴトにしても、とにかく自分の時間を切り売るにしても、さらには怪しいアングラなサービスにしても、「こっそり副業」の受け皿となりうる副業市場は、その選択肢を増やしながら水面下で急拡大しています。
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