「飽きられる文章」と「読まれる文章」決定的な差

人がお金を払う文章はいったい何が違うのか

・「パプアニューギニア」って聞いたことありますよね?
・どこにあるかわかりますか?
・地図で言えば、オーストラリアの上にあります。
・30代後半以上の人であれば『南国少年パプワくん』を思い出す人もいるかもしれません。「南国の、ほのぼのとした国」というイメージを持つ人も多いでしょう。

などの部分は、別に新しい情報でもなんでもありません。ハッキリ言っておもしろくない。ここが長すぎると逆に飽きられてしまいます。ただ、この部分には「書き手と読み手のあいだの溝」を埋める効果があります。よって、その後の

・ 第二次世界大戦前までは「パプア」と「ニューギニア」という2つの地域に分かれていた
・日本軍と連合国軍がこの地で争い、約21万人もの兵士が戦死した

といった「新しい発見」が際立ち、伝わりやすくなるわけです。

このように「パプアニューギニアってどこだっけ?」「あーパプワくん、懐かしい」などといった「共感」で引っぱりつつ、残り1〜2割くらいで「そうなんだ!」「なるほどね!」と思わせる。こうすることで「新しい考え方・できごと・情報」がそこまで多くなくても「おもしろい文章」を無理せず書くことができます。

「おもしろい文章を書く」といっても、内容を「100%おもしろいことだらけ」にしなくてもいい。「共感8割、発見2割」を目指すくらいでちょうどいいのです。

「共感」を入り口にする

「共感」はものすごく大切な要素です。お笑いの世界でも「あるあるネタ」をやるとだいたいウケます。いつの時代も「あるある」は強い。人は「共感」を求める生きものなのでしょう。

飲み会の帰りに微妙な知り合いと一緒に帰るのがつらいから「ぼく、コンビニ寄って帰りますね」って言ったら「あ、じゃあ私も」ってついてきちゃって、うわああってなる。

これは「人見知りあるある」です。「あるある」がうまくハマると「あ、この人、自分と同じ感覚だ」と読み手に思ってもらえます。「この人、すごい私のことわかってる」と。すると信用してもらえるのです。

おもしろい文章を書きたいのであれば、日頃から「あるあるネタ」をストックしておくといいかもしれません。「こういう会話、よく聞くよな」「こんな人、けっこう多いよな」と思ったら、ささいなことでもいいのでメモしておきましょう。

ぼくが本を編集するときも、この「共感と発見」のバランスを意識しています。本の場合は「共感:発見」が「6:4」だったり「5:5」だったりしますが、とにかく「発見だらけ」の本は疲れるし「共感だらけ」の本は飽きられます。そのバランスを考えてつくるわけです。

似たようなことで、「読者の期待どおりの部分」と「期待を超えた部分」をバランスよく配合することも意識しています。

みんな「ホリエモンにはこれを言ってほしい」「オリラジの中田敦彦さんにはこれを言ってほしい」という「期待」を暗に持っています。堀江さんには「電話には出るな」「会議は無駄だ」「ネクタイなんてやめろ」と読者は言ってほしい。

その期待に素直に応えてあげる。これも「おもしろさ」につながります。水戸黄門で印籠がいいタイミングで出てくるように、予定調和にも価値があるのです。

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