「女性はひとつにあらず」
中国市場に進出しようとするビジネスパーソンたちの間で、必ず飛び交う言葉に、「中国はひとつにあらず」というものがあります。
つまり、「中国」とひとくくりに考えることはできない。地方ごと民族ごとに、異なる顔を持つ人々の集合体が中国なのだ、と。その多様性を理解しないかぎり、中国でのビジネスは失敗する、と。
それになぞらえて言うならば、現代の日本の職場において「女性はひとつにあらず」です。実際、職場ではさまざまな年齢・立場の女性たちが働くようになりました(これまでは「事務の女の子」だけだったのに)。
若い女の子、中堅アラサー女子、ベテラン40代、たたき上げ役員……。
正社員、契約社員、派遣社員、アルバイト……。
中でも、今、最も注目されているのが「ママ社員vs.女子社員」の構図でしょう。
本当に「お互いさま」になるのか?
社を挙げて、社員の出産をサポートすることが義務づけられている昨今、ママ社員にとって働きやすい環境を整える必要が出てきています(ポーズだけでも)。産休や育休が奨励され、時短勤務で働くママ社員も増えました。
ここでしわ寄せを食うのが、独身女性=女子社員たち。「お互いさまなんだから」と自分をなだめて増える仕事を片づけながら、「本当に『お互いさま』になるのだろうか? 恋愛や結婚のメドが立っていない自分にも、いつかママとしての権利を行使できる日が来るのだろうか?」と不安を募らせています。
もちろん、ママ社員たちだって大変です。まだまだ理解の進まない中、フルタイムで働けないことに引け目を感じ、キャリアが停滞する焦りを乗り越え、なんとか頑張っている……。
もちろんオトナな彼女たちですから、表面上は助け合いつつも、水面下では殺伐とした空気が流れるのは避けられません。私が主宰する「恋と仕事のキャリアカフェ」にも、そうした相談が多く持ち込まれます。
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