ニッセン、フランフランがセブンを選んだワケ セブン&アイの傘の下に入る旨みとは?

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ニッセンはこれまで、商品の企画や販売予測などを年5回のカタログ発行に合わせて実施してきた。しかし、それが動きの早い消費ニーズをとらえきれない一因となっていた。その反省から、現在は永松氏を中心に、会議の頻度や項目などの見直しを進めている。

これらの人事交流は、いずれも買収・出資された側が要望したものだ。実現には至っていないが、セブン-イレブンのノウハウを学ぼうと人材派遣も含めた出資の受け入れを検討している企業は少なくない。

セブン側でもメリット発現

セブンにとっても提携のメリットが発現しようとしている。オムニチャネル戦略を進める過程で、傘下企業が持つコールセンターの統廃合を進めているが、その取りまとめはグループの中でいちばんノウハウのあるニッセンが担当している。

ニッセンの佐村社長(右)は、セブンの力で大化けを狙う

また、デザイン性の高いオリジナル商品で若い世代に人気があるバルスは、業績の低迷が続くイトーヨーカ堂に対し、商品コンセプトや面積配分など、具体的な売り場づくりの提案を始めた。4月28日からは、セブンの通販サイト上でバルスの雑貨が取り扱われる。

今回の買収・出資は、セブンにとってはオムニチャネルをより迅速に進めるために弱い部分を補完する、という目的があった。一方、グループ化される側にとっても、日本有数の流通コングロマリットに入るメリットは大きい。

「セブンの力を借りたら、小さな私どもが大化けするような新しいビジネス展開ができるかもしれない」――。ニッセンの佐村信哉社長は、セブンによる子会社化の発表会見でこう語った。今後もセブン&アイグループの拡大は続きそうだ。

「週刊東洋経済」2014年4月26日号(4月21日発売)では、「小売り激変」と題した特集を掲載しています。

田野 真由佳 東洋経済 記者

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たの まゆか / Mayuka Tano

2009年に大学を卒業後、時事通信社を経て東洋経済新報社に入社。小売りや食品業界を担当し、現在は会社四季報編集部に所属。幼児を育てながら時短勤務中。

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