ひろゆき「何者でもない人と成功する人の違い」 「サードドアって何だ」バナヤンと対談で激突

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アレックス:うん、すごく危険なことだ(笑)。だから大抵の人はトライしないんだよね。失敗やリスクを犯すこと、不安定さが怖いということになる。

1%の人にとっての失敗の意味

ひろゆき:大方の人はサードドアに軽く挑戦してみる、その程度なんだと思う。99%はトライして何にも得られなくてそれで終わり。99パーセントの人と君の違いって何なのかな?

失敗しても君は、はい次、はいまたその次って、どんどん前に進んでいく。もちろんそのおかげで君は今成功しているわけだけど、ほかの人は2、3回の失敗でもう耐えられないってなってしまう。逆に君はたくさん失敗が続いてもどうして大丈夫なの?

アレックス:そうだな……。失敗との付き合い方を振り返ってみると、もっと若かったころは、失敗がすごく苦痛だった。ひどい拷問を受けるみたいにね。

本を出版しようと最初に始動したころは、大方の人と同じく、失敗を、人間としての価値が映し出された結果のように捉えていた。俺ってダメ息子、ダメ友達、ダメ人間だ。誰からも愛されないし、友達になりたいやつもいない。結婚してくれる女性もいない。話しかけてくれる人さえいない。

でもサードドアのプロジェクトを通じて出会った人たちから学び、成長できた今は、実は失敗=ダメ人間ではないことがわかるようになった。失敗はダメ人間の印ではなくて、勇気を持って自分の夢を追いかける努力をした証なんだと。失敗しないことがゴールなんじゃない。

とにかくやってみたらまあ、失敗が多いけど、うまくいくことだってたまにはある。サードドアを通り抜けるプロセスはそういうものだって、まず受け入れる必要があるんだ。

ひろゆき:おお、そうなんだ。

アレックス:君はすごい成功を手にしているけど、失敗して学んでといった経験はやっぱりあるの?

ひろゆき:僕にとって失敗は、友達と飲むときにまた1つ披露できる、話のネタみたいな感じかな。だから失敗すればするほど話の種が増える。失敗談を語るときは、どうして失敗したんだろうって相手に尋ねてもいるかな。どうすればよかったか、周りから助言してもらうんだ。本当にいい意見がもらえることもある。

だから失敗は、100パーセント損をしたってことにはならない。実は僕は失敗から何かしら得ている。もし失敗したとしても、経験はしっかり残るからね。もし簡単に成功していたら、それは得られなかっただろうし。だから失敗は、僕の人生の楽しみという側面も少しあるかもね。

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アレックス:さらに付け加えると、君は失敗を終わりとはみなしていない。失敗は成功のためのちょっとした付録みたいに捉えている。

ひろゆき:確かにそんなふうに考えているかもね。

アレックス:いい考え方だよ。

ひろゆき:でも、成功に向かって突き進むとか、そんなふうには考えていないかもね。とにかくやってみたいからトライする。失敗もすれば成功もする。何にも起こらないことだってある。

たとえるなら映画を見ているみたいな感覚かな。楽しい映画もあれば、泣ける映画もある。ただお金をドブに捨てたみたいな駄作だってある。それでも、「こんなつまらない映画を見てさ〜。絶対見ちゃダメだ!」って友達に話すことができるでしょ?

だからビジネスはビジネスだけど、同時に映画でもありゲームでもある。僕にとっては、どれも一緒みたいなものなんだ。

(中編に続く)

(翻訳・構成:山本航)

ひろゆき 「4chan」管理人

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Hiroyuki

本名・西村博之。1976年神奈川県生まれ。中央大卒。1999年にインターネット匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。東京プラス代表取締役、未来検索ブラジル取締役など、多くの企業に携わり、企画立案やサービス運営、プログラマーとして活躍。2005年、ニワンゴ取締役管理人に就任。翌年、「ニコニコ動画」を開始。2009年に2ちゃんねるを譲渡後、2015年に英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。

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アレックス・バナヤン 作家、スピーカー

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Alex Banayan

1992年8月10日、カリフォルニア州ロサンゼルス生まれ。大学1年生の期末試験の前日、アメリカの有名なテレビ番組『プライス・イズ・ライト』に出場し、世界で屈指の成功者たちから「自分らしい人生の始め方」を学ぼうと旅に出る。19歳のとき、シリコンバレー史上最年少のベンチャーキャピタルとなる。また、アメリカの大手出版社クラウン・ブリッシャーズ史上、同社と契約した最年少の作家となる。『フォーブス』誌「30歳未満の30人」、『ビジネス・インサイダー』誌「30歳未満の最高にパワフルな人物」に選出。

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