ひろゆき「何者でもない人と成功する人の違い」 「サードドアって何だ」バナヤンと対談で激突

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アレックス:確かに僕の家族は移民の一家だけど、失敗から僕が学んだのはこういうことだよ。彼らがサードドアを使わないのは、失敗が恐ろしいから。不安定さや苦しむことが怖いんだ。恐怖が大きすぎてサードドアを利用することなんて一生ない。

僕が恐怖について学んだことがあるんだ。火事になったビルがあるとしよう。そこで僕は君に、「あのビルの中には5ドル札があるんだ!」と言ったとする。君だったら取りに行くかな?

ひろゆき:たったの5ドル? 行かないなあ。

アレックス:だよね。5ドル札のために燃え盛るビルに飛び込むのは得策じゃない。

ひろゆき:うん。

アレックス:だけどもし僕が、あのビルには君が地球上でいちばん愛する人が取り残されている!って言ったら、何も言わず一目散に駆け込んでいくでしょ?

ひろゆき:そうだね。

アレックス:この話のポイントは、建物も同じ、火事も同じだけれど、たった1つの違いは、恐怖心を忘れるほど大事なものが炎に包まれたビルの中にあるかどうか、ということなんだ。

ひろゆき:うん、ホントだ。

起業のマインドセットはたまたま?「ミッション」?

アレックス:起業家あるあるだけど、成功したくて起業してみたはいいけれど、大変さと恐怖心が日に日に増えて、「もういいや。サラリーマン生活に戻ろう」となる。こうなる人は、5ドル札を追いかけているんだ。

でも、もし心から信じる大事なミッションがあれば、全身全霊で欲するものがあれば、炎が燃えさかっているとか恐いということは関係がなくなって、なんとか解決策を見つけ出せるようになる。起業をいろいろしてきて、そういった経験ってある?

ひろゆき:うーん、ないかも。

アレックス:じゃあ、どんな感じだったの?

ひろゆき:ただプログラムを学んでいろいろ試しているときに、たまたまサイトを立ち上げてみただけ。そのサイトがたまたま成功したんだ。

君は、ある種裕福な家族の出で、大学にもちゃんと行って、親族からは医者になることを期待されていた。家族が思い描く理想のキャリアを君は捨てたわけだけど、受け継がれてきたヘリテージとか富みたいなものを、そもそもなぜ諦めたの?

貧乏で何もない境遇であれば、成功を夢見みてひた走れという流れになるのもよく理解できる。でも君の場合は、持っていたものを放棄している。しかも、君の追い求める成功は、はっきりと実体のあるものではなかった。にもかかわらず、君は持っていたものを捨てた。これってぱっと見、危険なことじゃない?

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