会社員が主張していい「ワガママ」正しい境界線 コロナで劇変する、会社員の「常識・非常識」

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ピョートル:当社でも、人が集まるワークショップや講演会以外、コロナ前とほぼ変わらずに在宅勤務を続けています。

その反面、お客さんやメンバーとの打ち合せの経費がゼロになったり交通費がゼロになったりして、驚くほど節約になりました。言うまでもなく、会社というのは「投資対効果」の適切なバランスを取らなければならない。コロナ禍は、経営者として何にお金を使う・使わないということを、改めて考える時間になりましたね。

青野:ただ、必ず残りそうな会議室というのもあると思っています。サイボウズで言えば、本社の日本橋タワーにある「サイボウズ・バル」という名前をつけたラウンジ型の部屋。キッチンもあって、食べながらお酒を飲みながら、みんなでわいわい言い合えるスペースです。

「自己実現の中身=わがまま」

ピョートル:ビジネスパーソンには3つの環境があります。1つは物理的な環境。いすとか部屋とか。2つ目は社交的な環境。人間関係やグループ、所属といったもの。3つ目は情報環境です。

グーグルなど成長企業では、その3つの環境が戦略的につながっています。例えば、何か情報にアクセスしたら、そのことについてちゃんと人と話せる仕組みになっている。情報を五感で確認できるようにすると、ぜんぜん違う結果が出ます。

クリエーティブの面では3つの環境の組み合わせがとても大事なんです。自分のパフォーマンスが出ないのであれば、自分にとって必要不可欠な環境について、どんどんわがままを言うべきだと思います。

青野:わがままにもいろいろありますよね。例えば、「私はカレーライス食べたい」というわがままなら「どうぞ食べなさい」で済みますが、「あなたもカレーライスを食べなさい」というわがままは結構困ります。相手が食べたいのかどうかわからないのに、「言うことを聞いてください」というのは、相手のわがままを尊重していないわがままです。

どちらかが幸福になるかもしれないけれども、どちらかが不幸になる。こういう種類のわがままはできのいいわがままとは言えないわけです。

組織においていいわがまま、悪いわがままを考えるのであれば、「その組織が何のための組織であるのか」というのを見ていかないといけない。当社の場合だと、「チームワークあふれる社会をつくる」というわがまま=企業理念を掲げた組織ですから、ここと重なるわがままはいいわがままだけれども、ここと重ならないわがままは悪いわがままということになります。

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