会社員が主張していい「ワガママ」正しい境界線 コロナで劇変する、会社員の「常識・非常識」

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ピョートル:プロノイア・グループは「誰でも自己実現できる世界をつくる」というのをキーワードの1つにして動いています。だから、僕はいつもメンバーに言っています。「欲しいものがあれば、前もって教えて」と。これやりたい、こうなりたい、このために働いているといったことをちゃんと教えてくれたら、可能であれば、一緒に頑張って実現していく。

自己実現の中身は人それぞれ、まさにわがままですよね。それを実現するためには、どんどんわがままを言ってもらわないと、自己開示してもらわないと何も支援できません。それが会社の目的に重なるなら、建設的なわがままになるんですね。

「わがまま」は大事な自己開示スキル

青野:自己開示というのは口で言うほど簡単なものではなくて、実はサイボウズでも苦労しています。最近だと、「自分から欲しい給料の金額を申告する」という仕組みをつくったのですが、日本の会社ではあまりないことなので、聞かれてもなかなか答えられないわけです。

「いくら欲しいの?」「え~、いまの給料で満足していますけど」という感じになってしまう。でも、自分の人生とかキャリア形成について考えるなら、それはとても大事な要素だと思います。

『「わがまま」がチームを強くする。』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

また、新入社員にいきなり「どこに配属されたいか、自分で決めろ」と言ったこともありました。いろんな部署の話を聞くたびに「あっちかな、こっちかな」となって、本人たちは大混乱したようですが、これも自分が何を望んでいるのかを考える、自己開示できる、わがままが言えるようになるためのトレーニングなんです。

ピョートル:日本の子どもは、6歳くらいまではわがままを言えますが、その後は学校に入って軍隊的組織の中で動くようになるので、「何が欲しいか教えて」と言っても出てこないことが少なくない。

プロノイア・グループには知的好奇心の高いメンバーが集まっていますが、場合によっては時間がかかります。「どうなりたいの? 何したいの?」と聞いても、「いや~、もやもやしています」と言語化ができない人もいます。わがままというのは、それが言語化できるということだから、大事なスキルとも言えますね。

次ページ本当に欲しいものを問い続けることが大事
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事