支援なく悲鳴「海外で働く日本人」の切実な肉声 世界94カ国、2155人が語った「コロナ禍」

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• 日本政府からの生活支援金を海外在住の日本人にも適用してほしい(タイ、60代、会社員、メーカー)
• 保障がないので、働けなくなり、帰国しないといけない場合は大変困る(マレーシア、40代、会社員、ITインターネット)
• イランでは現金の給付は行われておらず、コロナにより収入が減少した国民、企業を対象に低金利の貸し付けが行われている。しかしまったく十分ではない。その一方で物価の上昇は継続しており、国民生活は以前にも増して圧迫を受けている(イラン、60代、会社員、医療福祉)
• 主人の仕事や子どもの学校の事もあるので簡単に日本に帰れるわけでもないので、日本に住民票がないからという理由だけで給付金の支給ができないというのには不公平を感じます。日本に居る際にはずっと税金を納めてきました。間接的にでも主人は日本と関わり仕事をしています。在外邦人のほとんどは日本と関わりあって仕事をしています。私たちの国籍、人権はいったいどこへ行ってしまったのでしょうか? 私たちは海外に居ても日本国民です!(ベトナム、40代女性、専業主婦、サービス)
• 日本の住民票を抜いており、補助が受けられないうえ、シンガポール国民でも永住権民でもないためシンガポールからも補助を受けられない。会社は4月7日から事実上業務停止で現在収入がない。転職活動を始めた(シンガポール 、 30代女性、会社員、サービス)

海外日本人の長期滞在者のほとんどが日本の住民票を抜いており、現地での永住権などもない場合は、地元政府による補償も受けられないという。現在日本政府が海外在住者にも10万円を給付するという話も出てきてはいるが、早急な手立てがされないとさらに困窮していくことは必至である。

海外で奮闘する日本人がもたらしてくれるもの

ここまで見てきたように、コロナの影響は海外在住日本人にも大きな影を落としていることがわかる。日本では政府の補償やサポートがあるが、海外で現地の補償は少なく、海外在住日本人が孤立し、困窮してしまっている。

現在、新型コロナによって国際間の移動が大きく制限されている中でも、日本国内と世界とつながり続けていることができるのは海外に多くの日本人が出ていき、現地で根を張りネットワークを築いた結果だと思う。彼らがいることによって、日本にいながら世界中の情報やモノ、サービスを手軽に得たり、気軽に世界に出て行くことができるなど恩恵を受けられているのだ。

今回の新型コロナウイルスの世界的な流行によって「世界はつながっている」という当たり前の事もわかったが、近隣の韓国や台湾、遠方のヨーロッパやアメリカ、さらに日本の反対にあるアルゼンチンやブラジルなどにも多くの日本人が暮らし、今も必死でともにこの困難を乗り越えようと努力していることをぜひ知ってほしい。そしてできるならば政府が相応の対応を打ち出すことを願っている。

椎谷 豊 株式会社ロコタビ代表取締役

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しいや ゆたか / Yutaka Shiiya

大学卒業後ITベンチャー、EC会社などで、ECサイトの運営業務などを経験し、WEBコンサルタントとして独立。旅行情報サイトの日本本社立ち上げメンバーなども経験。2012年から海外在住日本人に活躍の場を提供したいという思いから、日本人向け海外プラットフォーム「Traveloco(トラベロコ)」の企画を開始し、2014年にウェブサイトをオープン。2020年に社名、サービス名ともに現在の「LOCOABI(ロコタビ)」へ名称変更。世界175カ国、2526都市、54,000人以上の海外在住日本人が登録している。

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