元の生活が不安「子どもの休みグセ」への考え方 フリースクール運営の視点から
次に「習慣化」についてです。なんの抵抗感もなく、当たり前のように好き勝手(に見えるよう)な生活を送っているかどうか、ということです。
私たちのフリースクールがある函館圏内では、地域に感染者が出たことで早めに休校措置が取られました。
最初は、学校が休みになって喜んでいた子どもたちも、次々に学校行事が中止になったあたりから不安感が増したように見えました。
試行錯誤の結果
それでも、なんとか家庭で不安解消に努めたり、楽しいことを模索したりして、試行錯誤を重ねたようです。そこにはたいへんな労力があったと思います。
だから、相談にあるような子どものようすは、ようやく少し見えてきた自分なりの「新しい生活スタイル」なのです。
そんな中で、学校が始まるから元の生活に戻るよ、と言われても簡単に割り切れるものではありません。
子どもにとって、それは元に戻ることではなく、また新しくつくり変えなければならないことだからです。
これらを踏まえると、登校再開がプレッシャーになっている子は少なくないと思います。さらに、子どもが学校へ行きにくいのと同様に、学校もまた疲れているのです。
ある先生が「子どもはもちろんですが、先生方も疲弊しています」と話していたことがとても印象的でした。
私は、学校自体にも動揺がある中で、子どもに圧力がかかってしまわないかを危惧しています。
社会を見ると、収束に向けて、これまでのものを一気に取り戻すような動きがみられます。経済的な面からは理解できることもありますが、子どもの育ち方もそれに合わせていいのでしょうか。
また、教育の複線化や多様な学びも注目を集めているようですが、子どもたちの様子を見ると、まずは、すべての子が安心して学べるような環境をつくることが大事だと思うのです。
庄司証(しょうじ・あかし)1980年生まれ。「函館圏フリースクールすまいる」代表。不登校・高認・進学支援に取り組んでいる。
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