突飛なうそにだまされる人と見抜く人の決定的な差 弁護士が指南「真実は多数決では決まらない」

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「もちろん、この基準に当たればウソ、当たらなければ本当、ということではありません。あくまでも目安ですが、参考にはなると思います」

深澤さんの専門分野の1つがインターネット上のトラブルだ。インターネット上のトラブルはどんどん増えているし、扱っている弁護士は多い。

先日テレビ番組『テラスハウス』に出演していた女性が自殺し、大きな社会問題になった。自殺にはSNS上での誹謗中傷が原因の1つではないか?と言われている。

そんなネット上の、誹謗中傷や、プライバシー侵害も深澤さんは取り扱っている。

「まず誹謗中傷を書かれた側に立ち、書いた人間を探したり、投稿を消したりする仕事をしています。

逆に、誹謗中傷を書いた人を弁護する場合もたくさんあります」

誹謗中傷を書いた側は心に、

「いつ訴えられるかわからない」

という不安を抱えることになる。

インターネットの法律情報はウソ、デマが多い

不安を解消するために、インターネットで情報を検索する人が多い。インターネット上にはたくさんの法律情報が載っているため、情報を得るのはたやすい。

「ただ、インターネットの法律情報は非常にウソ、デマが多いです。そのウソを信じ込んで依頼に来る人も多く、誤解を解くのに一苦労な場合もあります」

インターネットに誹謗中傷を書いた人は、インターネット上に書き込みをすることに抵抗がない人が多い。ネット上のあらゆる場所に書き込み情報交換をする。そうしてたくさんの情報を集める。

「そうして彼らは“自分に都合のいい情報”だけを集めてしまうんですね。自分にとって都合の悪い情報は、『デマだ』と切り捨ててしまう。都合の良いウソはネット上で交換されていき、エスカレートしていきます。

弁護士がQ&A形式で質問に答えるサイトもたくさんありますが、それもあてになりません。たとえ弁護士がウソをついていなくても、Qがそもそも間違っている場合はたくさんあります。

ウソを信じ込んで弁護士をつけずに裁判をしたら、確実に大負けします」

相談する前に思い込みで行動してしまったせいで、さらに事態が悪くなることも多いという。

ネットやテレビで“振り込め詐欺の手口”などを特集していることがあるが、それらを見てわかった気になるのも危ないという。

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