中学受験は父の「経済力」と母の「狂気」が全てだ 漫画「二月の勝者」が描く受験の現実(前編)
第1集の注目生徒「三浦佑星」
新小6になって初めて模試を受けてみたサッカー少年の三浦佑星の偏差値は40。それを見て「佑星には中学受験なんてムリだって!」と言う父親に対し、黒木は「平凡な子ですね」と言い放つ。さらに佑星がサッカーボールを扱う姿を見て、父親に「平凡ですね」と耳打ちする。
凡人こそ中学受験すべき!?
激情しそうになる父親に対し、プロサッカー選手になる確率と中学受験の難関校に合格する確率を比較してみせ、「凡人にこそ中学受験」と説く。
それでもサッカーを中断させたくないと反発する父親に対し、さらに「中高一貫校に入ったら、15歳の伸び盛りに部活を中断することなく打ち込めます。大学附属ならさらに18歳での中断もナシ。なのになぜ小6という時期にこだわるのか、不思議です」とたたみかける。当然父親は怒り心頭に発し桜花ゼミナールを出て行く。
しかし佑星は自ら入塾を志願する。模試を受けたとき黒木が言ってくれた一言がすごくうれしかったからだ。「解こうと粘ったのがよくわかる答案です。スポーツか何か――長い期間、取り組んできたものがあるのでしょう。粘って頑張った経験のある子は、受験でも強いですよ」。
黒木はしっかり、子どもを“見ている”のだ。
第1集の注目生徒「加藤匠」
いつも教室のいちばん後ろの席(つまりいちばん成績が悪い)で、ぼーっと窓の外を眺めている加藤匠。母親も「勉強も競争も得意じゃないし、好きなことしか興味ないし。本当に中学受験に向いてない……」とこぼす。匠の力になろうとする佐倉に黒木は「『楽しくお勉強』させてください」とアドバイスする。
その真意がわからない佐倉は匠に一生懸命肩入れする。しかし逆に匠は塾に来なくなってしまった。黒木は佐倉に「一生懸命になるな」と伝えたはずだと叱責する。佐倉の「あなたのため」が空回りしていたのだ。
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