「Zoom」対抗馬が続々、ビデオ会議大競争の行方 グーグル、アマゾンが仕掛ける強力包囲網

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ズームに待ったをかけるのは、グーグルだけではない。6月4日、アマゾン・ドット・コムと、ビジネスチャット大手のスラック・テクノロジーズがビデオ会議サービスなどの領域で提携すると発表した。

スラックは従来、ビジネスチャットでつながる人同士のビデオ通話機能を独自開発してきたが、今後はアマゾンのクラウド子会社であるアマゾン ウェブ サービス(AWS)のビデオ会議サービス「Amazon Chime(アマゾンチャイム)」を技術の基盤に採用し、その分の開発人材をほかの分野に充てる方針だ。

スラックとアマゾンの狙いが一致

スラックは大半のビデオ会議サービスと連携しているため、チャットの画面上で簡単なコマンドを入力するだけでズームなどのビデオ会議を始められる。だが足元の需要を鑑みて、スラック自身の機能としても拡充に踏み切った形だ。

スラックでは部署内や組織内などでちょっとした会話が必要な際に、ビデオ会議機能が使われている(画像:Slack)

一方、アマゾンチャイムはビデオ会議市場での存在感が低く、アマゾンは全世界1250万人以上のユーザーを抱えるスラックに基盤を提供することで成長を狙う。

ズームの急成長がアメリカのテックジャイアントたちの背中を押した。グーグル、アマゾン・スラック連合、そして全世界に7500万人以上のデイリーアクティブユーザーを抱えるビデオ会議・チャットサービス「Teams(チームズ)」を擁するマイクロソフトも黙ってはいない。

わずか数カ月で一躍世界の注目市場となったビデオ会議サービス。大競争時代はまだ始まったばかりだ。

中川 雅博 東洋経済 記者

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なかがわ まさひろ / Masahiro Nakagawa

神奈川県生まれ。東京外国語大学外国語学部英語専攻卒。在学中にアメリカ・カリフォルニア大学サンディエゴ校に留学。2012年、東洋経済新報社入社。担当領域はIT・ネット、広告、スタートアップ。グーグルやアマゾン、マイクロソフトなど海外企業も取材。これまでの担当業界は航空、自動車、ロボット、工作機械など。長めの休暇が取れるたびに、友人が住む海外の国を旅するのが趣味。宇多田ヒカルの音楽をこよなく愛する。

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