在宅勤務で躍進!ビデオ会議「Zoom」強さの秘密 今までの会議ツールとは一体何が違うのか?

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ビデオ会議システム「Zoom」の会議では、一画面で最大49人分を表示できる(写真:Zoom Video Communications)

新型コロナウイルスの影響で在宅勤務に移行する企業が増えている。そんな中、世界中で脚光を浴びているのが、クラウド型ビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」を手がけるアメリカのズーム・ビデオ・コミュニケーションズだ。

ナスダックに上場する同社が3月4日に発表した2020年1月期決算は、売上高が前年比倍増。2019年末に60ドル台後半で推移していた株価は2月下旬、一気に100ドル台まで急上昇した。

日本でも注目度は急速に高まっている。10人以上の課金ユーザーがいる顧客数は、2019年7月の日本法人設立時に2500社だったのが、2020年1月末に3500社まで増加(世界では約8万1000社)。2020年の1年間で2000~3000社ほど増やしていく計画だ。株価と同様にグーグルでの検索回数が2月下旬に急上昇。それ以前と比べて5倍の水準となっている。

ズーム日本法人の佐賀文宣・カントリーゼネラルマネジャーは、「業種を問わず問い合わせは急増している。もともと働き方改革の推進や五輪期間中のリモートワーク導入に備えて検討が進んでいたが、その予算を前倒ししている印象だ。寝る間を惜しんで対応に追われている」と話す。

イベント開催にZoom活用の動きも

需要はリモートワークだけではない。コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、政府は大規模イベントの開催中止を呼びかけている。これを受け、イベントをネット上で開催する動きが高まっており、そのインフラとしてズームを活用したいとの声も多いという。ズームのウェビナー(ウェブセミナー)サービスでは、最大1万人が参加可能だ。

ズーム上で取材に応じたズーム日本法人の佐賀文宣・カントリーゼネラルマネジャー(記者撮影)

また、利用者は企業だけに限らない。3月1日には、教育機関向けに有料プラン(1人2000円から)を4月末まで無料提供することを発表。無料プランでは3人以上のビデオ会議が1回40分に制限される。休校を余儀なくされている学校での授業や中止となった卒業式をズーム上で行いたいという需要が増えている。「利用者は幼稚園から大学までさまざま。とくに卒業式に使いたいという問い合わせは70校にのぼる」(同)。

国内で最大規模の利用者を抱えるのが楽天だ。「ASAKAI(朝会)」と呼ばれる毎週月曜朝の全社ミーティングでは、ズーム上で全世界2万人以上の社員が参加。日本航空も全社に導入済みで、国内外の担当者をつないだ会議や現場の情報共有ツールとして活用されているという。

マイクロソフトの「Skype(スカイプ)」や「Teams(チームズ)」、シスコシステムズの「Webex(ウェブエックス)」など、ビデオ会議システムには数多くの製品がある。では、ズームは既存製品と何が違うのか。

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