リモート仕事で起きがちな「いらぬ心配」の真因 上司にメールを送ったのに連絡がない…
翌朝、上司から「頑張ったな、フィードバックをメールで返信しておいたから、わからないことがあったら何でも聞いて」と伝えられていれば、佐藤さんはデスクに向かって資料を修正し、上司も佐藤さんの表情などから問題なく進んでいることがわかります。昼食に向かう上司に「あと少しで完成します」と佐藤さんが伝えておけば、上司は昼食中、佐藤さんのことを心配する必要もありません。
このように、職場においては、無意識に行っているコミュニケーションで多くのことが相手に伝わります。相手の予定がすぐにわかる、表情が見える、気軽に声をかけられるからです。テレワーカーの方は、コミュニケーションの量と頻度が減ることを理解して、意識的にコミュニケーションの課題を解決するよう努めることが必要です。
スケジュールを時間単位で共有
テレワークでは、職場のように相手が置かれている状況が分かりません。そのため、テレワークにおけるコミュニケーションの課題を解決するために最初に心がけておくべきことは、スケジュールの共有です。
少なくとも、当日の朝までには仕事上のスケジュールを時間単位で関係者とシェアすることが大切です。ただし、プライベートの内容まで伝える必要はありません。プライベートのことは、すべて〝私用〞と書き、詳細な内容は書かないなどルールを決めておきます。相手のプライベートには踏み込みすぎない配慮が大切です。
職場では、ホワイトボードやスケジュール管理ツールを使って、 1 日の予定を関係者とシェアします。テレワーカーが一緒に働く場合、職場で働く同僚に対して、スケジュールの共有が上手くできていないと仕事の連携が上手くいきません。
先程の佐藤さんのケースにおいて、自宅でテレワークをする佐藤さんの上司が、急に入ったトラブル対応をスケジュール表に更新しておけば、佐藤さんは、変更された上司の予定を確認し、その日の午後は落ち着いて他社の案件の資料を作ることもできたでしょう。
比較的大きなプロジェクトで行う仕事においては、先のスケジュールであっても変更が生じた場合は、関係者にただちに伝達することが大切です。
〝ホームページを作成する〞プロジェクトを例に紹介します。ここで、開発部から、新商品の開発が遅れることが伝えられたとします。新商品の遅れは、〝新商品紹介〞の仕事を自宅で行っている山田さんに対しても影響を及ぼします。新商品の開発の遅れによって〝撮影〞を延期せざるを得なくなります。こうした変更をオフィスで働く上司や同僚が、山田さんに直ちに伝えておかないと、山田さんは適切な対応を取ることができません。
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